農林中央金庫の第10回「農中 森力(もりぢから)基金」の助成案件が今年3月に決定し、北海道からは苫小牧広域森林組合の「ICTを活用した被災森林復興~スマート林業Atsumaモデルの構築~」が選ばれました。申請金額は916万5千円で、満額で助成されます。
森力基金は、正式名称を「公益信託 農林中金森林再生基金」といいます。森林施業の今日的課題の一つである「施業集約化」や「搬出間伐等」の取り組みをさらに加速化させるため、荒廃林の再生事業の中でも、特に地域の模範となり、高い波及効果が見込まれる事業や先進性のある事業に、重点的に助成を実施し、地域の中核を担う林業事業体(非営利の法人)の事業実施態勢の整備をサポートすることとしています。
以上の観点から、審査の結果、第10回となる本年度は、15件の応募の中から7案件、合計1億6400万円の助成が決定されました。
厚真町では、平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震によって、民有林3236haが被災しました。震災から5年が経過しましたが、森林の復旧再生は未だ5%以下に留まっており、被災森林の荒廃は一層進行しています。
震災復旧事業が実施できるかどうかを判断するには、境界測量などの現地測量によって、作業区域を明確化する必要があるのですが、それには多くの時間と労力を必要とするのが実情です。
そのため本事業では、ドローンレーザー計測などのICTを活用し、被害状況を効率的に把握することで、被災森林の早期再生に向けた効果的な施業計画を新しく作成し、森林再生事業のモデルを構築することを目的とします。
調査分析で、施業の優先度と復旧手法をゾーニング(空間分け)することで、合理的・効率的な復旧事業が策定できるようなシステムを構築し、厚真町の被災森林の早期再生に取り組むため、今回の申請に至りました。