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特集記事

2018_11_23 | 11・12月号 2018年 わがマチ自慢 連載 | , , , | 編集部イーハトーブ

【わがマチ自慢】今回は比布町

わがマチの1次産業の魅力をお伝えします。今回は旭川市に隣接し、「世界一大雪山がきれいに見えるまち」比布町です。村中一徳町長にお聞きしました。

 

DATA

【人口】3,789人(H30年8月末現在)
【世帯】1,853世帯(同上)

比布町役場
〒078-0392 北海道上川郡比布町北町1丁目2番1号
TEL: (0166)85-2111

村中一徳 町長

道産米「ゆめぴりか」は比布町から生まれました!

わがマチは水稲を中心とした農業で栄えたマチです。平成6年に上川農業試験場が比布町に移転し、寒冷地でもおいしいお米を作りたいという研究者たちの熱い思いから「ゆめぴりか」が誕生しました。ほどよい粘りと甘み、もちもちの食感、つややかで美しい炊きあがり。日本穀物検定協会が毎年行う米の食味ランキングで連続「特A」を獲得するこのお米は、約130軒の農家で生産されています。
9月末現在ですが、残念ながら今年のお米は量が少なく、質もこれからの刈り取りまでの天気で青粒がどれだけ良くなるかにかかっていそうです。
今年は農作物にとって、厳しい1年でした。6~7月の低温と長雨と日照不足、そして、9月には台風21号と胆振東部地震がありました。台風による被害はビニールハウスの破損が8棟ほどで、地震による被害は停電による生乳破棄が2日間ありましたが、幸いにも人的被害はありませんでした。震度は3で、東日本大震災の時も震度3と記憶しています。ほとんど地震のない地域ですので私自身も揺れで目が覚めました。あらためて被害に遭われた地域の方々には心からお見舞い申し上げます。

 

収穫の風景

 

昔からイチゴの栽培が盛んです。この頃はどうですか?

わがマチでは、四季成りの「赤い妖精」のほか、市場にあまり出回らない昔ながらの「宝交」と、北海道でしか栽培されていない「けんたろう」の3品種を大切に育てています。
わがマチでは大正時代からイチゴを栽培しています。昔の農家は貧しく、そんな中で、子どもたちに甘い物を食べさせたいという思いから、イチゴの栽培が始まりました。そのような長い歴史があるので、栽培技術も高く、今に受け継がれています。
最盛期に比べると、売り上げは3分の1になっています。これにはいろんな要因が重なっています。昔は冬にもハウス栽培をして出荷していましたが、資材や燃料の高騰からハウス栽培は減少していきました。また、兼業農家は水田が大規模になったため、イチゴ栽培に時間を費やすことができなくなりました。現在は春に出荷するハウス栽培、夏のイチゴ狩りでの露地栽培が主流です。
イチゴ狩りを行っている農家も一時期は7軒ほどに落ち込みましたが、新規就農も増え、昨年は10軒に増えました。毎年夏には1万人ぐらいの観光客が訪れています。若いイチゴ農家の方々はインスタ映えするような工夫をしていますし、そこで地元野菜を売ったりしています。JAでもイチゴのアイスクリームを販売しています。
マチとしても大切な夏の観光資源なのでこれからもできる限り支援していきたいと思っています。

 

イチゴ

 

たまごかけごはんセットはマチの新たな特産品になりそう!

「たまごかけごはんセット」は、わがマチの美味しいお米とたまご、お醤油によるたまごかけごはんセットです。
たまごは、(有)大熊養鶏場の「かっぱの健卵」を使用。この卵はビターゼと天然の酵素飼料を自家配合し飼育した鶏の卵で、EM(有用微生物群)を使用しています。
醤油は、わがマチの小ねぎを入れ、旭川キッコーニホン醤油で作ってもらっています。小ねぎは一度雪の下で眠ることにより甘味がぐんと増し、独特の風味を持つねぎです。最初は6千本作りましたが、すぐに売り切れました。今は2万本に増やしています。キッコーニホンさんはプライベートブランドとして地域の特産品を使った醤油を作っています。これまでの最高の販売本数は3万本とのこと。それを抜かすことを目標としています。
そして、米は、久保農園のゆめぴりかを使用しています。
このセットは大人気で、今年は、「かっぱの健卵」を25%ほど増産するようです。わがマチの子どものいるご家庭ではこのセットをほとんど常備されているのではと思っています。
また、9月には地元野菜の直売所「ナナプラザ」が国道沿いにオープンしました。店舗裏にはイチゴを植えており、来年はイチゴ狩りもする予定のようです。

 

これからの冬の観光地やイベントを教えてください。

「ぴっぷスキー場」は、町営で運営しています。町民や旭川市民の方々が中心でシーズン中に何度も来ていただけるスキー場です。この頃は降雪量が多く、良質のパウダースノーを満喫できることから、外国人スキーヤーも増えてきました。そして、そばには温浴施設「遊湯ぴっぷ」や合宿に適した宿泊施設もあります。リゾートというような大上段にかまえることなく、ちょっとしたレジャーとしてわがマチに訪れてほしいと思います。
ぴっぷスキー場では、抽選会・餅まきなどのミニイベントや来年2月には新しいイベントの実施を企画中です。コース内にもスノーボーダーのためのスノーパークがあり、今シーズンは初心者用のコブ斜面を設けて楽しんでいただく予定です。
また、SAJ―Bの公認コースもあって本格的なアルペン大会が開催されたり、SAJ公認スキー学校による基礎スキーのレッスンの受講もできます。

 

大人気のぴっぷスキー場

 

 

 

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