190万都市札幌は、国内5番目の大都市で北海道の政治、経済、文化の中心地ですが、農業も盛んに行われていて、「コマツナ」は道内有数の生産量を誇ります。コマツナ作りについて、JAさっぽろ管内・漆崎農園の漆崎 智(うるしざき さとる)さんにお話をうかがいました。
土作りを大事に良質なコマツナ作り
現在、札幌市の農家戸数は専業と兼業合わせて約800戸を数え、水稲や果樹、野菜、酪農などあらゆる農畜産物が生産されています。
野菜では、「コマツナ」は道内有数の生産量を誇ります。主に西区小別沢地区、南区藤野・簾舞地区、東区丘珠地区で生産されており、市内の学校給食にも使われています。
漆崎智さんは西区小別沢で代々農業を営む農家の3代目。28棟のハウスでコマツナをはじめダイコンナ・シロナを生産しており、札幌のコマツナの代表的生産者として、栽培技術の向上など積極的な取り組みを行うかたわら、農業委員を長年務めるなど、地域のリーダー的存在として札幌の農業を支えています。
漆崎 智さん、ハウスのコマツナ畑で(7月13日撮影)
コマツナは生育期間が30日~45日と短く、シーズン中は繰り返して収穫することができます。漆崎農園では、4月中旬から収穫が始まり、11月頃まで5回~6回作付けをするそうです。
野菜作りで特に注意していることは、害虫対策。虫に葉を食害されないように、早期発見を心がけて早期に駆除するよう取り組んでいるそうです。
美味しい野菜を育てるための土作りは、「もみ殻を低温で燻して炭化させた『もみ殻燻炭』を作っています。これは土壌改良剤として使います。そして、堆肥を入れて有機栽培しています」
こうした生産者の手間ひま惜しまぬ日々の栽培管理によって、良質で安全安心なコマツナが生産されています。
消費者へのメッセージをうかがうと、「たくさん食べてください(笑)。コマツナは栄養価が高く、いろいろな料理に合いますよ。スーパーで見かけたら、手に取ってもらえると嬉しいですね」と目を細めていました。
ちなみに、見分け方としては、葉に厚みがあり、緑色が濃く、根元が太いものほどおいしいそうです。
生産者おススメの食べ方
材料は、コマツナとめんつゆ。
①コマツナをさっと茹でて(食感を残すためにさっとお湯に通す程度)、水気を絞って食べやすい大きさに切る。
②容器にお好みの味に調えためんつゆを入れて、①を浸す。
③冷蔵庫で3時間くらい寝かせて出来上がり