IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー

IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー
  • 紙面版を見る

特集記事

2018_05_06 | 2018年 5・6月号 わがマチ自慢 連載 | , , | 編集部イーハトーブ

【 わがマチ自慢 】今回は北竜町

わがマチの1次産業の魅力をお伝えします。今回は“ひまわり”でマチの活性化を目指している空知管内の北竜町です。佐野豊北竜町長にお聞きしました。

 

DATA

【人口】1,901人(H30年3月1日現在)
【世帯】841世帯(同上)

北竜町役場
〒078-2512 北海道雨竜郡北竜町字和11番地1
TEL:(0164)34-2111

 

 

佐野 豊 町長

第46回日本農業賞・大賞を「ひまわりライス」が受賞しました!

わがマチは平成2年に「国民の命と健康を守る農産物生産の町」宣言をしています。昔から消費者に安全なお米を中心とした農産物をお届けする意識を強く持っていました。JA北竜町は平成12年にJAきたそらちに合併されましたが、その時の黄倉組合長が安全な食糧を生産するという理念を生産者たちに強く植え付けてくれました。それに賛同した青年部の人たちが、無農薬では作れないのか、農薬をもっと減らせないのかと試行錯誤を始めました。今、北海道では除草剤や肥料などに22の成分が使われています。それをまずは半分の11の成分にしようと生産者全員で決めました。このような取り組みは今年で13年目を迎えましたが、2年前にこれまでのこの取り組みを評価していただき、日本農業賞の大賞を受賞させていただきました。わがマチのブランド米「ひまわりライス」として販売しています。
マチのJAでは、昔から直販を行い、その手数料分を生産者に還元しています。昨年生産した16万俵のうち4万2千俵を直販しています。また、これらのお米はふるさと納税の返納品としても利用しています。

 

ひまわりライス

 

お米の他にもメロンやスイカや黒千石が人気ですね!

お米の他には「ひまわりメロン」が有名です。しかし、生産者が減っていて、一時は6億円ほどの生産額がありましたが、今は1億2千万円ぐらいに落ちています。これらはすべて旭川の旭一市場に送られるので地元でもなかなか買うことができない。逆に市場から買って、ふるさと納税の返礼品に使うほどの人気になっています。ひまわりメロンは青肉で日持ちが良く、夕張などの赤肉と違い、収穫してから2週間ほど持ちます。だから台湾などの海外からの需要も高いです。
また、「ひまわりすいか」も特産物です。小玉で中身が黄色く、現代の核家族には丁度いいサイズとなっています。そして、血圧を下げる効果がある健康食品としても高く評価されている「黒千石大豆」。調整組合を作り、町内だけではなく、近隣の町でも栽培したものを出荷してもらい、菓子メーカーなどに販売しています。

 

ひまわりメロン

 

ひまわりオイルの生産販売にも力を入れています。

昭和54年、JAの職員が農業視察でヨーロッパに行きました。その時に、ユーゴスラビアの上空から空港に降りる時に、一面のひまわり畑の美しさに目を奪われました。現地でひまわりの種には、リノール酸とビタミンEが含まれていて、健康食品だということも学んだ。帰国後、その話を当時安全安心な食料に強い関心を持っていたJAの女性部に話したところ、翌年、家の周りにひまわりを植えて景観を良くして、種からの油を自らで使用しようということになりました。当時は450戸ほどの全農家に協力していただいた。
その後、ひまわりが転作の奨励作物になったことで、さらに、植えられるようになりました。マチとJAでも補助金を出したり、種を買い上げたリした結果、ひまわり畑の面積は100㌶まで広がった。油の他に、石鹸、ラーメンなど、ひまわりに関する製品も35種類ぐらいになりました。しかし、そんなに売れるものではありませんでした。平成10年にJA北竜町が広域合併になったことで、油などの製品の生産も止めました。

一昨年、地方創生としての位置付けで、「ひまわり油再生プロジェクト」として日清オイリオと事業提携を行うことになりました。日清オイリオが持つノウハウをわがマチのひまわり油に注いでくれることになった。昨年2月には「燦燦ひまわり油」として発売、今年は第2弾として「北竜焙煎ひまわり油」を4月から発売します。
7月にわがマチで「ひまわりオイルサミット」を開催します。全国のひまわりオイルを生産している市町村が集結することになっています。

 

ひまわりオイル

 

林業はどうですか?

わがマチの70%は山林です。国有林が多く、民有林や町有林はありますが、伐れば伐るほど経費がかかり、赤字という時代が長く続きました。今は、質の良いカラマツの集成材が多く使われています。私が昔、林業に関わっていたころは、カラマツは使い道がなく、坑木やチップぐらいしかありませんでした。3,4年したらカラマツなどは本格的な伐採期を迎えます。間伐を含めて、山林の手入れを本格的に行わなければなりません。
そんな中で、町産材のカラマツを使った保育所を建設します。今、地材地消を実践している自治体が多く、当麻町の新庁舎や大樹町の保育所も町産材を使用しています。
設計は新国立競技場を設計した隈研吾(くまけんご)さん。20年以上も前からわがマチのひまわり畑を絶賛してくれていて、前々から「何かあれば北竜町の手助けをしたい」と言ってくれていました。来年建設をして、再来年4月にオープンします。園児たちには日本一のひまわりとお米と素晴らしい保育所で育ったという誇りを持って歩んでほしいと思います。

2018_05_06 | 2018年 5・6月号 わがマチ自慢 連載 | , ,