南富良野町の道の駅「南ふらの」が改修され、まったく新しい観光施設として2024年度の全面開業を目指すことになりました。国土交通省の令和元年度「重点道の駅」に選定されたことを受けて事業化されたもので、地域活性化の拠点となる優れた企画があり、今後の重点支援で効果的な取り組みが期待できる道の駅から選ばれ、元年度は道内で唯一、南富良野町だけが選定されました。新しい道の駅は、アウトドア用品店「モンベル」や地元食材を使ったレストランを備えた複合商業施設、緑地公園などを新たに設置し、道北と道央を結ぶ交通の拠点、そしてアウトドアの拠点としても大きな役割を果たすことが期待されています。
道の駅「南ふらの」外観
アウトドア観光の素材に恵まれた南富良野町
南富良野町は、北海道のほぼ中央に位置し、総面積の9割を森林が占め、農業と林業を基幹産業とする自然豊かなまちです。
中央には人造湖「かなやま湖」があり、周辺の空知川と併せ、夏はカヌーやキャンプ、ラフティング、ロードバイク、冬はワカサギ釣りやスノーシューなどが盛んに行われています。町内にはアクティビティ事業者が多く、アウトドアガイドが約40人も在籍しており、1年を通じてアウトドア観光の素材に恵まれた地域として有名です。
湖畔には、「かなやま湖ログホテル ラーチ」があります。丸太作りの本格的なログコテージを備え、北海道の食材をメインにした創作フランス料理が絶品です。
南富良野町を一躍有名にした映画「鉄道員(ぽっぽや)」のロケセットが展示されているJR幾寅駅は、映画そのままの「幌舞駅」として、今も高倉健ファンが数多く訪れる人気スポットです。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」に登場する幌舞駅(JR幾寅駅)
充実の複合施設も併設
国道38号線沿いにある道の駅「南ふらの」は、1993年の開設。地理的には、札幌、旭川、帯広方面に向かう中継点で、周辺には道の駅が少なく、道北と道東を結ぶ位置にあることから、年間30万人ほどの利用客が訪れる、南富良野町で最高の集客力を持つ施設です。
町では、今年度から道の駅「南ふらの」を、アウトドア体験型観光の振興と、生活機能の維持を図る拠点として、大々的な改修整備に着手します。
具体的には、道の駅改修のほか、アウトドア用品店「モンベル」、スポーツバイクなどが借りられるレンタルショップ、南富良野町のそば粉やワカサギ、もち米などの食材を使った料理を提供するレストラン、フードコート、休憩スペースなどを備えた複合商業施設、緑地公園などが整備される予定です。
新しい道の駅「南ふらの」基本エリア図
子育て応援、防災機能も
道の駅の周りに造成される広々とした緑地公園では、イベントエリアや季節に応じた花々を植える花エリアのほか、カヌー体験ができる親水エリアやボルダリングが楽しめる遊具エリアなどが整備される予定です。
子育て世代を応援するため、ベビーコーナーを拡充し、南富良野産の木材をふんだんに使ったキッズスペースを設置、駐車場には優先駐車スペースを設けます。
インバウンド対応できる観光案内ブースを設け、アウトドアアクティビティや事業者の情報、アドベンチャーツーリズムが体験できるエリアであることを積極的に情報発信できるようになります。
町の避難所としての役割も一段と強化し、子育て世代でも安心して避難できる環境にするため、紙オムツや液体ミルクの備蓄などを進めます。また、災害および大規模停電時に備え、最低72時間は熱・電気のエネルギー供給を可能とするシステムの利用を検討中です。
空知川で行われる大人気のラフティング
町の新しい起爆剤として
農産物直売所の新設も予定され、地域産品のブランド力を強化し、テイクアウト機能や観光案内機能と一体化したレジ機能を構築します。地元飲食店と連携し、旅の目的にしたくなるようなメニューを提供する予定です。
今回の道の駅リニューアルよりひと足早く、ドリンクや軽食も提供できる「南富良野サイクルステーション」が駐車場内に設置されました。絶好のサイクルート中継点でもあるため、サイクリストの休憩スペースとして早くも人気上昇中です。
総工費は9億8500万円を見込んでいて、まず複合商業施設が今年度から実施設計に入り来年度に着工、22年度に先行オープン。緑地公園、新しい道の駅、農産物直売所、駐車場の順に施工し、24年度に全施設がオープンする予定です。
新しい道の駅と周辺施設を起爆剤に、南富良野町は北海道を代表するアウトドアアクティビティの一大拠点を目指します。
道の駅内の特産品販売コーナー
先行オープンしたサイクルステーション