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特集記事

2021_01_16 | 1・2月号 2021年 明日への挑戦 連載 | , , | 編集部イーハトーブ

明日への挑戦 – JA上士幌町
営農の規模拡大に取り組み、一戸あたり所得向上に努めています

十勝の北部、大雪山国立公園の東側に位置する豊かな自然に恵まれた上士幌町をエリアとする同JA。牛乳・じゃがいも・てん菜・小麦・豆・野菜などの農畜産物を「安全・安心」をモットーに消費者に届けています。

上士幌町農業協同組合代表理事組合長 小椋 茂敏 さん

 

同JAは、畑作と酪農畜産をメインに営農しています。農家戸数は160戸で、一昨年の総生産額は約234億円。そのうち、酪農畜産が8
割、畑作が2割となっています。
また、農家一戸あたりの生産額は1億3200万円あり、十勝管内では2番目の規模になり、1番の新得町に続きます。
「当JAは、管内の中でも、積極的に規模拡大を行っています。ほ場の面積も大きく、牛の頭数も多く、だから、農家の所得も高い。規模拡大は特に、ここ7~8年の間に、JAと組合員が連携して積極的に行われ、その結果が今出ていると思っています。もちろん、ここ数年の市場の変化も見逃せません。畑作物の単価も上がっている。乳価も上がっている。肉牛の価格も上がっている。投資をするのには最適な環境でもありました」と小椋茂敏組合長は拡大路線に確かな手ごたえを感じています。

 

アウトソーシングで農家の負担を軽減

一方、農家の負担軽減のためにアウトソーシング(外部委託)を積極的に行っています。例えば、酪農であれば、牛が生まれて搾乳できるまで2年ほどかかります。その間、酪農家は自分の所で牛を育成し、エサになる飼料を生産しなければなりません。しかし、その作業に時間を取られ、規模拡大まで手が回りません。そこで、数十年前から同JAでは農家の省力化のために、専属の部署をつくり、手のかかる仕事を請け負っています。
そして、その代表的な施設が、「ナイタイ高原牧場」と「育成預託センター」です。
ナイタイ高原牧場は、町が保有し、同JAが管理しています。広さは1700㌶で、東京ドーム350個分の大きさがあり、主に町内の酪農家から育成牛を預かり、育て、受胎させ、初産分娩できる状態で酪農家に返しています。
育成預託センターは、一昨年、同JAの単独事業として建てられました。施設では生後6カ月の乳牛を預かり10カ月まで育成。その後、ナイタイ高原牧場に移し、再び育成して種付けをしたのち、出産の2カ月程前に酪農家に戻すことになります。
「JA直営でアウトソーシングをしているところはあまりありません。ほとんどがJA以外の外部委託です。アウトソーシングをすることにより、牛の頭数を増やすことができる。ほ場の面積を拡大することができる。そのような規模拡大によって農家の所得が少しでも向上すればと思っています」

 

ナイタイ高原牧場

 

育成預託センター

 

町と密接に連携し共に発展していく

「町と密接に連携していかないとお互いに発展はありません。町民である農家の所得が上がれば、町の税収も増えます。そうなればいろいろな助成もお願いできる。共に、ウィンウィンの関係で上士幌町を盛り上げていきたいと思っています」と町との一体感を大事にする小椋組合長。
畑作においても、5年ほど前から町の助成でトラクタに自動操舵システムを導入。今では同システムは、一戸平均45㌶のほ場を持つ上士幌町には欠かせないものになっています。町との連携で上士幌町の農業はますます発展していきます。

 

JA上士幌町

上士幌町字上士幌東2線238番地

TEL: 01564・2・2131

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