IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー

IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー
  • 紙面版を見る

特集記事

2021_01_16 | 1・2月号 2021年 生産者を訪ねて 連載 | , | 編集部イーハトーブ

【生産者を訪ねて】
酪農と農業の魅力を発信‼

今年の干支は「丑年」です。丑(牛)年にちなんで当コーナーの皮切りは、道内最大の消費地である札幌市に隣接した石狩樽川地区で周辺の住環境への影響を考慮した都市環境調和型の酪農を展開する池端牧場と、道内でも屈指の酪農地帯、釧路地区で小学生のころから父の後を継ぐことを志した女性が頑張っている金子牧場を紹介します。

健康な牛、作物は土作りから

池端牧場(石狩市樽川地区)池端 規明さん

 

池端牧場は、ホルスタイン約150頭と黒毛和種約30頭を飼育し、生乳などを生産しています。
代表の池端規明さんは同牧場の4代目。家族経営で、規明さんご夫婦と3人の息子さんの5人で営農にあたっています。また、自家産牛乳を原料にした手作りソフトクリームを販売するショップ「ミルクフレンド」も展開。ソフトは牛乳本来の自然な味がおいしいと評判です。

同牧場のこだわりは「土作り」。「健康な牛、良い作物は土作りから始まる」というモットーから、土壌分析の基、土作りを行い、健康で安心安全な作物や生乳を生産。また、秋田県の企業が製造販売する「活性誘導水」を導入し、牛の飲水やエサである牧草サイレージづくりに使用することにより、牛の健康向上やふん尿による悪臭を激減させることに成功したそうです。

 

池端規明さん

 

赤いサイロが目印の「ミルクフレンド」(札幌市手稲区手稲前田579-2)

 

就農して40年。酪農は面白い、と思うのは、「乳量が増えたり、受胎が増えて子牛が次々と産まれたときだね。牛も不妊というのが結構あって、それをいかに減らすかというところが課題」と話します。 今後の予定については「規模を拡大したい。息子が5人いるので、それぞれ担当牧場を持たせてやりたいと思っています」と語っていました。

 

兄弟で牧場を発展さたい

金子牧場(釧路市阿寒町)金子 睦さん

 

金子睦さんは、就農して13年目。小学生のころから父の後を継ぐことを志し、道立農業大学校(本別町)を卒業後、実家に戻り就農。現在は、睦さんと両親、弟の4人で130頭を飼育し、生乳を生産しています。
毎日の仕事の中で大事にしていることは、「声掛け」だそう。「家族で仕事しているとどうしても阿吽の呼吸になりがちなんですが、ささいな牛の体調の変化についても会話に出して、情報を共有することが大切だと感じています。そうすることで、牛の環境を整えることにつながり、安全安心で良質乳の生産にもつながると思っています」

 

金子 睦さん

 

力を入れて取り組んでいるのは繁殖管理。「一番の経営につながってくるところなので、繁殖の数字が良くなることがとても嬉しい! やりがいが一番あるところです。そして、出来れば兄弟で規模拡大していきたいと考えています」と話します。
昨年は新型コロナウイルスの影響で学校給食がストップするなどして、生乳廃棄が懸念された時期がありました。「牛乳の行き場がなくなり不安に思いました。そんな中、消費者の皆様から牛乳消費拡大の声をあげてもらい、たくさん飲んでもらって本当に嬉しかったです。皆さんの美味しそうに飲んでくれる笑顔が一番のモチベーションアップにつながりますので、これからも北海道の牛乳をたくさん飲んでほしいなと思っています」と目を細めていました。

2021_01_16 | 1・2月号 2021年 生産者を訪ねて 連載 | ,