春限定の美味生しらす丼

ニシン漁で栄えた寿都町は、現在、獲れたてのコウナゴを使った名産「生炊きしらす佃煮」で有名です。春の夜、暗い寿都湾の海上を色鮮やかに照らすコウナゴ漁の美しい漁火は、日本海の旅情をかきたてます。
そして知る人ぞ知る、他では食べられない季節限定の絶品メニューが『生しらす丼』。歌棄地区「スッツ・オイスター・ビレッジ」の中にある「かき小屋」などで、コウナゴの漁期にあたる４月下旬～５月下旬にだけ食べられます。水揚げされた鮮度抜群のコウナゴがたっぷり盛られ、口の中で甘く溶けていきます。

美しい寿都湾の漁火

漁期１ヵ月のみの美味・生しらす丼

同じ時期、寿都湾ではカキの水揚げも始まります。北海道では、カキ産地といえば冬場が旬のオホーツク海や太平洋側が有名ですが、寿都湾では、旬が春という珍しい『寿かき』を日本海側で唯一養殖している地区です。
前記の「かき小屋」で、４月下旬～６月下旬に豪快な鉄板蒸し焼きで食べられるほか、通販（㈲吉野商店 フリーダイヤル0120-64-5018）で殻つきをお取り寄せできます。

道内日本海地区唯一の「寿かき」

創業１００年の老舗銘菓

寿都町の中心街・大磯商店街にある菓子店『若狭屋老舗』は、店名のとおり創業１００年を超える老舗中の老舗です。
明治42年に初代若狭屋 若狭源七が生み出した寿都町を代表する銘菓『わかさ屋いも』は、あの有名な〝わかさいも〟のルーツで、白あんと卵を使い、コンブでイモの繊維を表現しています。現在は４代目の若狭修二さんが熟練の技で手づくりしており、素朴で上品な風味が大人気です。

営業時間は午前８時～午後６時。不定休。TEL: 0136-62-2033

若狭屋老舗の店内

寿都銘菓 わかさ屋いも

２０１８年にオープンしたパン屋さん『ベーカリー寿』は、国道沿いにある地域コミュニティ施設みなくる１０４の１階にあります。
あんぱん、メロンパン、クロワッサンなどの定番からバーガーやサンドイッチ、パイなどの個性的で工夫を凝らした季節限定パンまでバリエーション豊かな焼きたてパンが並びます。コロナ対策として個包装しているので安心です。
営業時間は午前10時～午後４時。定休日は日曜日。TEL: 0136-75-7040

ベーカリー寿

多彩な焼きたてパン

鰊御殿で味わう手打そば

道内屈指の古い歴史を持つ寿都町には、３９０年以上も前に創祀した壽都神社など、さまざまな歴史的建造物があります。
ニシン漁全盛の栄華を今に伝える旧鰊御殿の『橋本家』は、建材を集めるのに約３年、建築に約４年の歳月をかけて明治30年代に完成したもので、釘を１本も使わない当時最高級の木造２階建て建築です。

鰊御殿 昌の屋 寿都店

ここに隣接する土蔵を改修して、昨年７月にリニューアルオープンしたのが『鰊御殿 昌の屋 寿都店』です。店内は落ち着いた和の空間で、寿都の歴史を感じながら落ち着いて食事が楽しめます。
幌加内産の良質なそば粉と道産小麦粉で手打ちした二八そばが絶品で、一番人気のメニューは、海老天やごぼう揚げ、野菜天、玉子焼きなどの豊富なトッピングが楽しい「冷やしたぬき」９７０円（税込）。

営業時間は11月～３月が午前11時～午後３時、４月～10月が午前11時～午後４時。定休日は毎週水曜日。TEL: 0136-64-5677

一番人気 冷やしたぬき

意外と近い寿都とニセコ

国道から道道へ曲がると、寿都漁港の手前に位置しているのが『道の駅 みなとま～れ寿都』です。
名産の「生炊きしらす佃煮」をはじめとする水産加工品や天然の「寿都はちみつ」など、町内の特産品を数多く販売しているほか、「寿都ホッケめし」や「ホッケカレー」、寿都・島牧産の香り高い天然岩海苔がご飯にのった「船澗弁当」など、ここでしか食べられない名物料理が目白押しです。

また、昨年６月、ニセコ町曽我地区にオープンしたＰＲ拠点『アンテナショップ寿都 魚一心』でも、寿都自慢の旬の鮮魚や水産加工品を販売しているだけでなく、寿都町から直送された新鮮な魚介を活かした寿司などの和食が食べられます。

アンテナショップ寿都 魚一心

人気メニュー「一心定食」は、寿司６貫にそば、天ぷらのセットで１２８０円（税別）というコスパの良さで好評です。
ちょっと意外なことに、寿都町とニセコ町は約60㎞と距離的に近く、車で約１時間という好アクセス。ニセコで遊んでから日本海を軽くドライブし、寿都湾に出て寿都町内で遊ぶ、あるいは逆回りで遊ぶのも、北海道の春を満喫する最高のおすすめコースです。

ボリューム満点 一心定食

2021_03_19 | 2021年 3・4月号 特集 | 歴史, 観光, 食