わがマチの1次産業や観光の魅力をお伝えします。今回は空知管内の「田園の里」雨竜町です。西野尚志町長にお聞きしました。
【DATA】
【人口】2,228人(R3年6月末現在)
【世帯】1,082世帯(同上)
雨竜町役場
〒078-2692 北海道雨竜郡雨竜町字フシコウリウ104番地
TEL: (0125)77-2211
雨竜町長 西野 尚志 氏
安全、安心、高品質、そして食味も最高と評判の「うりゅう米」です!
ゆめぴりかとななつぼしの2種類をJAに出荷しています。町内にある道の駅に隣接しているライスコンビナートで、籾のまま低温貯蔵。精米したてのものを道の駅で即販売しますので特別な美味しさを味わうことができます。道の駅の他に札幌や十勝のスーパー、ネットでも販売しています。
基本的にはお米のほとんどはホクレンに行ってしまい、わがマチのブランド米として販売する数は限られていますが純粋な「うりゅう米」として味わっていただければ幸いです。
うりゅう米
ただ全体をみると、コロナ禍の影響で米は余っています。今年豊作になれば、さらに米は余り、米価の下落が心配されるところです。
米以外では「暑寒(しょかん)メロン」の生産に力を入れています。青色果肉のメロンで、赤肉に比べ糖度が2〜3度高く甘みたっぷり。1玉1.3キロ~1.5キロと大玉で、日持ちするのが特徴です。
暑寒メロン
ただ、需要はあるのに供給が追い付かない現状にあります。メロンだけ生産する農家は少なく、米との兼業が大半です。メロンの生産には手間がかかり、米の生産規模が大きくなればメロンにまで手が回わりません。マチとしてもメロン農家の育成に力を入れ、ビニールハウスの助成なども行なっています。
JAが合併する前には、「暑寒」という名称がつく野菜はたくさんありました。「暑寒長ネギ」「暑寒ミニトマト」「暑寒スイートコーン」など。今はこのメロンだけです。後は全部JAきたそらちブランドになっています。わがマチの農業の歴史を継承するためにもこだわっていきたいブランドです。
将来の農業のために土地改良事業にも力を入れていますね!
わがマチでも農家の戸数は減っていますが、圃場は大きくなっています。また地域差もあり、後継者がたくさんいる地域もあれば、まったくいない地域もあります。マチの中央に位置する中島地区は一番の農業地帯で、そこを中心に国と道からの助成で土地改良事業を行なっています。
0枚あった田んぼを、畦などを整地して1枚にし、1辺が200mもある田んぼに生まれ変わります。また、より水の管理を行ないやすくするための整地など、将来、スマート農業の導入には欠かせない基盤整備となります。
土地改良事業
大きな圃場を活用し、スマート農業を導入すると、効率は全然違いますし、後継者のやる気も引き出すことができます。
事業終了まで、あと6~7年かかる予定ですが、計画どおり完成することを願っています。
ふるさと納税はどのような現状ですか?
寄付金は右肩上がりです。令和元年度は約1億9千万円、令和2年度は3億円を超えました。
伸びた要因はいろいろあると思います。全国的なブームになっていることもあります。さらに、業者に委託して返礼品を掘り起こしていただいたのも大きかったことと、町内を回って、探していただいたことで、職員では気づかないところもありました。
例えば、寄付金が3億円でも、返礼品に3割、業者への委託料や送料などを差し引くと、手元に残るのは3割ほどになります。それでも9千万円ほどになりますので、雨竜沼湿原の保全や農業振興、教育など有効に使っています。
一方、今年6月に採用した地域おこし協力隊の職員に、ふるさと納税の担当として取り組んでいただくことになりました。その職員は道外出身者なので、これまでとは違う視点を持って取り組んでいただけるものと期待しているところです。
ただ、この制度もいつまであるかわかりませんので、過度な期待を持たないようにして、地道に町政を運営していきたいと思っています。
最後は観光について教えてください。
国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約の登録湿地で、暑寒別天売焼尻国定公園を代表する雨竜沼湿原がイチオシです。
標高850mの台地に東西4㌔、南北2㌔にわたって広がる雨竜沼湿原は、日本有数の山岳型高層湿原帯。大小100以上の地塘(ちとう)と呼ばれる沼が点在し、夏は数多くの高山植物が咲きます。登山道もあり、登山者には500円の協力金を払っていただき、施設の維持管理などに充てています。
雨竜沼湿原
また町内にある「いきいき元気村」には、いきいき湯とパークゴルフ場があります。いきいき湯は自慢の大浴場で、サウナと設備が充実。日本庭園を眺めながら入浴を楽しめます。
最後にドライブがてらに寄ってほしいのが「道の駅田園の里うりゅう」です。田園風景に囲まれ、遥かに暑寒の山並みを展望できる道の駅です。
2021_11_23 | 11月・12月号 2021年 わがマチ自慢 連載 | ふるさと納税, スマート農業, 特産品, 育てる, 農業