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特集記事

2022_09_05 | 2022年 9月・10月号 イーハトーブ | , , | 編集部イーハトーブ

牛乳の消費拡大に向けてイーハトーヴからの提案

すべての学校で牛乳をフリードリンクにしてみる

学校給食の一部助成から完全無料化へ移行するケースが、ポツポツ出現してきた。これが各地に波状的に拡大すれば、少子化時代にあってドンピシャな政策と考える。
給食費助成・無償化は地方が先行する形だが、本来はもっと早くに国が前屈みになって教育費無償化を含めて議論されなければならない政策だった。こまねいているうちに格差が広がり、日本社会は取り返しのつかない人口構造になってしまった。国や政治家は非があったことを認めたがらないはず。しかし、筆者は50年後、百年後の日本を考えたとき、少子化は五百年後の日本史にも残るほど大失政だったと捉える。
死語になってしまったはずの言葉「欠食児童」。現代に蘇り、困窮する家庭が結構の割合で存在する。規制緩和を「善」と捉え、経済の仕組みをいじくってしまった。「中流世帯」は薄まり、一部の「富裕世帯」とかなりの「貧困世帯」へはっきり二分化してしまった。
国が主導し、経済の仕組みをいじくりまわした結果、不都合な現実が露見し出した。一方の地方行政はそれを認識していても困窮世帯の対応はせいぜい給食費免除くらい。あとはNPOの「子ども食堂」や「フードバンク」の活動に委ねている恰好。
本論である「牛乳の消費拡大策」に戻る。
本紙はこれまでもことあるごとに乳余りの問題、乳業大手が飛びつく輸入乳製品の問題(国産原料から外国産原料に乗り換える製品づくり)を訴え、私たちの出来る消費拡大策として、①地場産原料でのみで製造された乳製品の購入、②学校における牛乳のフリードリンク化(全額自治体負担)を問題提起してきたが、今度は真剣に議論の俎上に挙げてもらいたい。
日本酪農を下支えしているのは子ども世代だ。ならば成長盛りの子どもたちに日本の酪農をしっかり支えてもらおう。
牛乳は栄養バランスの優れた食品であることに異論は出ないはず。もちろん、学校内で飲む牛乳は無料で、好きなだけ飲んでもらう仕組みだ。消費拡大の方法はこれしか思いつかない。大人世代としては国産チーズを選択して購入する、これしかない。

(山田)

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