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– GAP認証農場を訪ねて Series19 –
先進性、リベラル性を引き継ぐJAようてい
【イーハトーヴ × ゆめさぽ Collabo‐Campaign】

食の安全は食品に関わるあらゆる産業界に求められる必須条件。農業界でも農畜産物の安全基準ともいうべき「GAP認証」へ向けた動きは活発だ。今回の取材先は食用馬鈴薯でJGAPの団体認証を取得した「ようてい農業協同組合」。記者は「株式会社ゆめ・きた・さぽーと」の大滝昇社労士(ASIAGAP指導員)と廣田陸奥夫税理士(同)とともに営農経済事業本部を訪ねた。

広域合併で誕生したJA先進性とリベラルに富む

「JAようてい」は黒松内町、寿都町、蘭越町、ニセコ町、真狩村、留寿都村、喜茂別町、京極町、倶知安町の9町村JAが広域合併して誕生したのが平成9(1997)年。それぞれの地域から秀峰・羊蹄山を望むことができることから「JAようてい」と命名された。
JAようていのトップブランドといえばやはり馬鈴薯で、465戸の農家が馬鈴薯を生産している。また、この地は「日本アスパラガス揺籃の地」でもあり、アスパラガスは高品質を誇り、多くの消費者から買い求められている。

 

 

ニセコ町に所在した有島農場にまつわる話を何度か耳にしたことがあるに違いない。戦前は地主と小作人の関係が普通に存在した時代であったが理想主義を掲げて、農場主の有島武郎は農場で働く小作人たちに農地を解放した。この有島武郎(小説家でもあった)の存在も、この地域ならではの逸話だ。

新しい作物アスパラガスの栽培に果敢に取り組んだ先進性や、思想が監視される社会にありながらも農地を小作人たちに平等に解放していったリベラル性を、今日なおJAようていは引き継いでいる。

令和2(2020)年には、全国農業協同組合中央会から「特別優良表彰農業協同組合」に選ばれている。

 

生産者と職員の一体感でGAP団体認証を取得

JGAP取得は取引先に強く要望されたことがきっかけとなった。2019年、馬鈴薯の生産者のうち17戸の生産者が参加、認証審査を経て適合性が認められて「団体認証」を取得した。現在は戸数も増えて24名の生産者の参加で取り進められている。

団体認証取得グループの森和也代表は「GAPの取り組みを通じて、より良い農業の継続を目指し、消費者に求められる生産を続けていきたい」と語る。

 

JAようてい GAP団体認証取得グループ GAP団体認証取得グループのみなさん

 

JGAP認証書

2023_01_01 | 1・2月号 2023年 GAP認証農場を訪ねて ゆめさぽ イーハトーブ 連載 | ,