来年は「戦後80年」の節目、幸い日本はこの間、他国と戦火を交えることにはならなかった。しかし、この80年間で「朝鮮戦争1950~53年」と「ベトナム戦争1965~75年」があり、沖縄の米軍基地から軍用機が離着陸した事実は覆い隠せない。
さらに「朝鮮戦争」時には戦争特需があり、戦後間もない混乱期に重なるが、日本経済の復興に多大なる影響を与えたことは紛れもない事実だ。
しかし、朝鮮戦争の犠牲者数は韓国側240万人(軍・民)、北朝鮮側292万人(軍・民)、加えて国連軍15万人(うち米軍14万人)、中国軍90万人、この3年間で合わせて「637万人」が犠牲になった(諸説あり)。
先の大戦後、戦争や内戦のない期間はあったのだろうか?「戦後」という呼び方は日本だけで通用する言葉で、世界ではまったく通じない言葉ではないだろうか?
この瞬間も絶えず砲弾が飛び交い、銃声がやむことはないくらい世界のどこかで戦争がある。民間人の死者数も大きな数字になる。戦争はなんと不条理か。家族団欒の笑いが一瞬で消える。幸せが一瞬にして災いに転じる。かくなる〝戦争〟は人類最大の犯罪だ。
日本では「戦後80年」で通用するが「アメリカの戦後は?」の問いにアメリカ人はどう応えるのか。アメリカ社会では「戦後」ということば自体が死語となっているのでは。
アメリカは常にどこかで交戦状態、あるいは交戦中のどちらか一方の国と軍事的に緊密に関わっているように見える。まさに「常在戦場」を地で行くアメリカ。朝鮮戦争やベトナム戦争、さらにイラク戦争、アフガン戦争などいつも戦争状態にある。そのアメリカと日本は日米安保条約を結ぶ。
歴史を紐解けば「サンフランシスコ講和条約」を交わしたその瞬間、別室が用意され、そこで「日米安全保障条約」を交わしたという裏面史つき。
強制されたが真相か!?
日本は朝鮮戦争やベトナム戦争には「不関与」だったが、国際貢献の名の下でイラク、アフガンでは国連の平和維持活動に自衛隊を派遣した。アメリカが東アジア圏で戦争を始めたら、今度ばかりは日本も後方支援では済まないような気がする。台湾が対中国の発火点になり得る。日本側は尖閣諸島が軍事衝突の原因になる。
今のウクライナ戦争、パレスチナ戦争はジェノサイドの様相を呈する。無差別攻撃で民間人に多くの犠牲者が出ている。
ガザ地区では救援物資輸送車や病院・学校までイスラエル軍の標的になっている。食料が行き渡らず、体力のないパレスチナの子どもたちは栄養失調で死の淵を彷徨っている、この瞬間も。
(山田)