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特集記事

2026_01_04 | 1・2月号 2026年 特集 | , , , | 編集部イーハトーブ

【米‐1グランプリ in 蘭越 第14回】
決勝戦は大波乱 猛暑に強い銘柄が浮上

日本一おいしいお米を決める「米-1グランプリ㏌らんこし」は今年で数えて〝第14回目〟その決勝戦が昨秋11月22日、蘭越町山村開発センターで開催された。記者は第1回、第2回は蘭越入りして現地で取材したが、今回は12年ぶりの訪問となった。

取材/文 山田勝芳

初回は265品、今回は 過去最多の415品

今年14回目を数える「米-1グランプリ㏌らんこし」は年数を刻んだだけに滞りなく進行していく。同一条件下の米炊きなど準備作業の時間帯などは大会を支える裏方は緊張の場面だが、会場内にいる町民など来場者に飽きが来ないように余興(米重量当てクイズ、讃岐瑞穂神楽、抽選会、じゃんけん大会など)でそつなく繋いでいく。

今回は過去最多の26銘柄415品が全国各地から出品された。10点以上出品された銘柄米を多い順に列記すると―、

ゆめぴりか/141点

ななつぼし/69点

いのちの壱/66点

コシヒカリ/39点

ゆうだい21/21点

ゆきさやか/15点

おぼろつき/11点

これ以外は出品数9点以下の19銘柄(この中に道内産のふっくりんこ、きたくりんがある)となる。

記者も居合わせた第1回目は出品総数265品だから、14回目の415品は大成長といっていいのではないか。12年ぶりの取材記だが年月の刻みをずしりと感じた。

そして、何よりも年輪を感じるのは協賛企業の顔ぶれだ。当初は地元の「蘭越町商工会」と「蘭越町観光協会」の2つだけだったが、現在は「ANA」、「パナソニック」、「サッポロビール」などナショナルブランド企業が多数協賛し、蘭越町発の米-1グランプリを盛り上げている。

 

 

グランプリ、準グランプリは 岐阜県勢が独占

その中(415品)を勝ち残った決勝進出6品の中に、意外や「ゆめぴりか」が残っていないのだ。道内産の銘柄をピックアップすると―、

美瑛産「ななつぼし」

士別産「ななつぼし」

栗山産「ゆきさやか」

が最後の6品に残った。

グランプリ(1品)は岐阜県飛騨市の永田政和さん(74)の「ゆうだい21」が選ばれた。

 

グランプリに輝いた永田政和さん (岐阜県飛騨市)

 

準グランプリ(2品)は岐阜県下呂市の井上敬人さん(63)の「いのちの壱」、同じく準グランプリに岐阜県下呂市の桂川益美さん(66)の「いのちの壱」が選ばれ、全部岐阜県勢だ。残りの金賞(3品)は道内勢が受賞した。

審査員の食味の官能テストでも銘柄も生産地も伏せた記号だけで選ぶ審査方法、瑕疵が入り込む余地は微塵もないのだ、100%厳正な審査だ。

意外で、驚きだったのは岐阜県勢で独占したことと、栃木県の宇都宮大学が20年の歳月をかけて開発した品種「ゆうだい21」が初挑戦でいきなりのグランプリ受賞こと。

生産者は今回で出場3回目の永田政和さん、壇上で満面の笑みが印象的だ。  勝利の瞬間、永田さんは両手を上げて万歳、喜びを露わにした。開口一番「もう最高です」。興奮しすぎて言葉が続かないが正直なところか。

しばらくして、落ち着いたところで「ゆうだい21は暑さにも強く、コシヒカリと違って粘りもある。猛暑だった夏場は田んぼに水を流して水温を下げるように管理した」とのコメントを発する。猛暑の中の、丁寧な栽培管理がいい結果を呼んだのだろう。昨年まではコシヒカリで出品して勝ちに行っていたのだが、「今年はゆうだい21」で勝負して、最高賞のグランプリをつかんだのだから凄い。

 

最後まで勝ち残った6名が舞台上に勢揃い、 グランプリ発表の瞬間、万歳する永田政和さん。

 

選考経緯を発表する審査委員長の 荒川義人さん(札幌保健医療大学客員教授)

 

夏の猛暑・酷暑に耐える 農作物づくりが課題

この夏は全国的に連日の猛暑日続きだったが、暑さに強い稲が台頭してくる予感がする。北海道は従前より耐寒性に優れた稲の品種改良をずっと研究してきたが、この先は猛暑、酷暑に耐えうる米の研究も必要になる予感がする。

素人判断だが、米に限らず夏の暑さに耐えうる農作物の品種が求められる。道内の2025年産の作物は馬鈴薯も、玉ねぎもトマトに菜っ葉類も収量が減少した。その分店頭価格は高値で推移、生産者も量的確保ができない辛さに、消費者も価格に一喜一憂しやり繰りに窮した。暑すぎた夏で、馬鈴薯・玉ねぎが小粒化し作物全般の成長リズムが狂ったということか。

温暖化による気象変化や災害の激甚化や多発への防備、さらに持続可能な再生産体制の道筋、消費者と生産者が一体となった合意形成、現在の振幅の激しい農政ではなく生産者も納得できる農政への転換など課題は多々ある。離農者の出ない農業を確立したいものだ。

 

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