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特集記事

2023_01_01 | 1・2月号 2023年 ゆめさぽ イーハトーブ 事業承継 連載 | , | 編集部イーハトーブ

【事業承継 ~ 次の主役たち】
長沼町 カワハラトマト
川原 直明・明名夫妻に聞く

日本農業の最重要課題というべき〝世代交代・事業承継〟についてフォーカスし、次世代の農業を担う社長にインタビューを行うシリーズ。第4回目は、夕張郡長沼町で農業を営む、川原直明・明名夫妻に話を聞いた。

事業承継 〜 現在の課題

個人事業主として経営を行う川原直明さん。川原家は明治に入植し直明さんで5代目となる。父親が65歳になったタイミングで経営移譲され、それから5年が経つ。
直明さんは大学卒業後23歳で実家へ戻り、それから農業に従事、32歳の若さで経営を引き継ぐこととなった。
やはり大変なのは「お金の流れを知ること」だと言う。税理士に任せてはいるが、自分でそれを知っておくことが大切だと言い、そこから更に利益を生むのがまた大変だと。経理面は把握できているが、どう前に進んでいこうかというのが課題であると話してくれた。

 

川原直明さん・明名さん夫妻と3歳のいつきくん

 

家族で営む

そんな直明さんを支えるのが、妻の明名さん。明名さんは札幌の出身。知人の紹介で直明さんと出会った。「長沼が好き、トマトも大好き」と明るく話してくれ「どう前に進んでいこうか」という課題に対し、施策を練ることが好きだと言い、色々思いを巡らせているようだ。
また、畑の管理は、直明さんを中心にご両親も含め家族全員で行っている。お子さんが3歳になり、昨年春から幼稚園に通い始め、空いた時間には明名さんも畑に出る。ただ、両親の年齢のこともあり、作業量が多いトマトの畑の面積は少し減らしたそう。販路拡大も考えていきたいという面では、人を雇い入れることも少しずつ考えているようだ。

 

今後チャレンジしていきたいこと

販路や売り方など、どうしていくか具体的に考えていきたい。フルーツトマトの売上がメインになるが、現在は、ほぼ農協に卸している。昨年から、オンラインでの販売も始めたが、手応えはある。今までは直接購入を希望する顧客は現地へ来てもらうしかなかったのが、オンラインでスムーズに購入してもらえるようになった。販路は広い方が良いと考えている。
また、長沼は空港からのアクセスが良く観光客や移住者も多い注目の場所。そんな中、東京へフルーツトマトを発送したいという方も訪れたそう。注目の地なだけに「売り方」が色々考えられそうだ。

更に、フルーツトマトの加工品についても考えており、現在ドライトマトを販売しているが、デザート系も面白そうと明名さん。夢は膨らむ。

 

家族の時間

2月になり、ようやく休みを取れているという直明さん。お子さんもどことなく嬉しそう。1月からはまた作業が始まる。キャンプに行く時は、仕事が終わる午後3時に家から近いキャンプ場へ出かけ、翌朝6時には帰ってきて再び仕事へ、という状況だ。丸1日休みは難しい。しかし今が頑張りどき。前へ進みたい。

 

取材を終えて

今回「初めまして」の状態で、快く取材を引き受けてくれた川原夫妻。落ち着きがありながら、とても温かい。こちらの質問にも夫婦で顔を見合わせて確認しながら、丁寧に答えてくれた。畑を守る直明さんと、マーケティング周りにも意欲を見せる明名さん。良いバランスだと感じた。今年の5月、フルーツトマトの旬の時期に、是非二人の作るトマトを頬張りたい。

(廣田 陸奥夫)

 

●企業データ

住所:北海道夕張郡長沼町東8線南3

作付面積:トマト80a、麦 13ha、大豆 13ha、米 2.4ha

オンラインストア:https://kawaharatomato83.stores.jp

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