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特集記事

2018_09_24 | 2018年 9・10月号 特集 | , | 編集部イーハトーブ

カサシマ工務舎から「大黒柱のある番屋の家」が誕生

道産間伐材を使用し、地材地消を実践するカサシマ工務舎。
古き良き時代の木の質感を大切にした家づくりのこだわりから新たな住宅が誕生しました。

北海道を象徴する鰊番屋をモチーフに

明治・大正・昭和初期に北海道の日本海沿岸で盛んだった鰊漁で財を成した網元たちが、競って造った大規模な木造建築物、それが鰊番屋です。
中央に作業場を兼ねた土間があり、半分は大勢のヤン衆が寝泊まりし、もう半分は親方である網元がひとつ屋根の下、共同で暮らしていました。
その建物内の梁や桁は豪雪の重さに耐えられるよう、無駄に見えるほどの木材を使い、天井の屋根裏との距離は無意味と思われるほどに離れた空間は圧巻でした。
その空気感を今に再現したのが、同社の「大黒柱のある番屋の家」です。そこには木造建築の伝統文化を継承する職人の技が冴える3つのこだわりがあります。

 

カサシマ工務舎  笠島 守 社長

 

「番屋の家」の3つのこだわり

1つ目が八寸角以上の大黒柱。家の中心に八寸角(約24cm×24cm)の大黒柱が堂々とした風格を醸し出します。
2つ目が太鼓梁(たいこはり)です。太鼓梁とは丸太の両側を切り落とした梁で、迫力ある太鼓梁の存在は伝統技術を受け継ぐ証でもあります。
3つ目が浮造り(うづくり)のフローリングです。浮造りとは、木の表面を丁寧にこすり、年輪を浮き上がらせたもの。温かな肌触りと凸凹の心地よい刺激で快適に過ごせます。

「今まで当社では“町屋”が一番上位の住宅でした。しかし、“町屋”は京都を連想させ北海道らしさを感じることができなかった。そこで“番屋”というモチーフが出てきました。番屋は全国的な言葉ですが、やはり北海道のイメージが圧倒的に強い。そしてそこには縁起の良さもあり、ステータス性も高いと感じました」と笠島守社長は言います。
「道産材のカラマツで八寸角の大黒柱が手に入る目途がたったのが大きな前進となりました。それは簡単なことではなく、一生懸命業者さんに動いてもらってやっと手に入るものです。10m以上のカラマツを伐採し、運び、製材できる工場はあまりありません。集成材であれば簡単にできる。しかし、それでは物語性が弱い。職人たちが集まってようやく加工できるレベルのものですから、そこにも物語を感じることができるのではないかと思いました」
その第1弾として建てられたのが北海道のMさん(夫婦+犬)の住宅です。

 

M邸の外観

 

九寸角約8mの大黒柱は道産カラマツに背割れを入れて乾燥させ耐久性を高めたものを使用しました。原木の梁と組み合わせるとより力強く風雅になり、美しい木の年輪がひときわ目を引くアクセントとなっています。また、建具はすべて造作で、大型食器棚や下駄箱、洗面化粧台も造作で家にふさわしい家具となっています。さらに、天井には、梁が見える真壁(しんかべ)造りを取り入れており、木の香り、木目の温かさ、構造の見える開放感を感じます。

 

九寸角の大黒柱

 

オリジナル洗面化粧台

 

木目の美しさと立体感が際立つ天井

 

「番屋の家」は更に進化する

「当社を含めて、各住宅メーカーは木を活かした住宅を販売していますが、道産材を使っていることを別にすれば、あまり北海道を感じることができないものが多い気がします。変化球が多く、直球で勝負しているメーカーが少ない。当社はそのひとつの答えとして、大きくて、力強くて、北海道を感じることができるこの番屋の家を育てていきたい。規模が大きいので、一般住宅だけではなく、商業店舗や民宿、ファームレストランとしても需要は高いと思っています」
正に、木造建築の伝統文化と職人の技が冴える、本物志向に応える住まいの誕生です。

 

今年も「お客様感謝祭」を開催!

同社では、毎年、建主や業者の方々を招き、木材加工場敷地内で「お客様感謝祭」を開催しています。今年で10回目を迎え、雨にもかかわらず、多数の来場者で賑わいました。
屋台の軽食やプロマジシャンによるステージ、お楽しみビンゴ大会など様々なプログラムが用意され、建主や業者との絆を深めました。

 

多くの来場者で賑わった感謝祭

 

●カサシマ工務舎

札幌市東区中沼西1条2丁目2‐5

TEL: 011・792・4388

 

 

 

 

 

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