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特集記事

2018_07_05 | 2018年 7・8月号 わがマチ自慢 連載 | , , , , , | 編集部イーハトーブ

【 わがマチ自慢 】今回は広尾町

わがマチの1次産業の魅力をお伝えします。今年、開町150年をむかえ、「サンタランドの街」として有名な十勝管内の広尾町です。村瀬優広尾町長にお聞きしました。

 

DATA

【人口】6,920人(H30年4月末現在)
【世帯】3,393世帯(同上)

広尾町役場
〒089-2692 北海道広尾郡広尾町西4条7丁目1
TEL:(01558)2-2111

村瀬 優 町長

 

広尾町町はシシャモの水揚げが日本一です!

わがマチは漁業で栄えてきました。一時は生産高が120億円ほどあった時もありました。しかし、200カイリ問題などで漁獲量も減り、一昨年は台風の影響で記録的な不漁に見舞われました。
そんな中でも、シシャモの水揚げは日本一を続けています。やはり道民のみなさんはシシャモといえばむかわ町を思い浮かべると思いますが、漁獲量はむかわ町の6倍ほどもあります。ただ量があるものですから、加工して付加価値をつけて高く売るという事を考えず、そのまま売っていた。気が付いたらシシャモの地域ブランドをむかわ町にとられていました。今後は加工して付加価値をつけて販売することも考えなくてはなりません。

 

浜が元気だとマチも元気に

 

また、わがマチでは1年を通していろいろな魚が獲れます。年明けのウニに始まって、春はサケ、マス、トキシラズ、夏はコンブ、ツブ、イカ、ホッキ、秋から翌年春までは底引きをして、その間に、シシャモや毛ガニが獲れます。
漁業は裾野の広い産業です。関わる人たちは沢山いる。このような事をもっとPRして、漁業のマチを復活させたいと思っています。

 

農業は酪農が中心で畑作も盛んですね。

農林水産業の中で、生産高は農業がトップで昨年は約76億円、水産業は約40億円、林業は約5億円でした。
農業は酪農畜産が中心で、乳価や牛の個体販売が高く、バブルの様相を呈していて、毎年生産高を伸ばしています。中でも、乳牛の頭数は1万頭を超えています。春先にかけてガスがかかり気温が低いため、わがマチは乳牛の飼育にはうってつけの場所です。肉牛も最近飼育を始めましたが、まだ1千頭ほどです。畑作は小麦、豆類、てん菜、大根、馬鈴薯などです。しかし、圧倒的に酪農畜産の比率が高く、95%ほどを占めています。

 

 

そんな現状の中で、就農者がしっかり確保されていることは素晴らしいことです。後継ぎへの継承もスムーズに行っていますし、特に、新規就農者が多い。最初に入った新規就農者の成功によって、次々と就農者に来ていただいている。マチもいろいろな補助を出していますし、お互い助け合うという地域性も受け入れられているようです。
ここ数年で新規就農者は20戸ぐらいになります。1戸は挫折されましたが、残りの19戸は成功され、酪農では有名な「黒澤賞」や「宇都宮賞」などを受賞しています。

 

町有林が毎年サッポロファクトリーのクリスマスを彩っています!

毎年サッポロファクトリーで開催されるジャンボクリスマスツリーの点灯式。そのツリーは開催時からずっとがマチのトドマツが使用されています。これは大きな自慢です。
わがマチの約8割は森林ですが、その約7割を国有林が占め、町有林では主に保安林の機能維持を目的として造林事業を行っています。森林組合でも製材を行っていますが、そんなに大きな加工場ではありません。だから、私と組合長で大きな加工場の誘致を行っています。十勝港もあるので、船での運び出しもできる。そのような優位性をアピールして加工場の誘致を成し遂げたいと思っています。
また、2020年の林業大学校の誘致も十勝町村会として手を挙げています。十勝のどの自治体になるかはわかりませんが、林業への新たな需要も期待したいところです。

 

ファクトリーのジャンボツリー

 

年間を通してどのようなイベントがありますか?

やはり「サンタランドの街」ですから、クリスマス関連のイベントが中心です。中でも、サンタメールとサンタランドツリー点灯式は中心的な事業です。
サンタメールは申し込みをしていただくとサンタクロースから手紙が届くもので、昨年で33回目を迎えました。一時期は年間で約17万通の手紙を出しましたが、今はその10分の1ほどになっています。メールやラインが主流にはなってはいますが、手紙文化を大事にしていこうということで郵政も後援してくれています。正直採算もギリギリなのですが、このような心が温まる事業はこれからもずっと続けていきたいと思っています。

他に、8月の「十勝港まつり」では海上に6千発の花火を打ち上げますし、12月の「広尾毛がにまつり」には1万人以上の来場者が訪れます。毛ガニの値段も安く、港で水揚げされた新鮮な毛ガニを大釜で茹で、その場で身のしまった濃厚な味の毛ガニを食することができます。新鮮な毛ガニの美味しさをぜひ、より多くの方に味わってほしいと思います。

 

広尾毛がにまつり

2018_07_05 | 2018年 7・8月号 わがマチ自慢 連載 | , , , , ,