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特集記事

2019_03_02 | 2019年 3・4月号 特集 | , , , | 編集部イーハトーブ

春から魅力爆発! 350年の歴史と美味と眺望
寿都町

開基から実に350年と、道内屈指の歴史を持つ寿都町。気候は温暖で、風光明媚な寿都湾に面し、森に囲まれた自然豊かな町です。ぐるりと弧を描く湾に沿って街並みが続く独特の風景と風力発電の風車が、どこか懐かしい漁師町の佇まいと相まって、不思議な雰囲気を漂わせています。春から夏にかけて強い「だし風」が吹くことで、風の町とも呼ばれる寿都町は、この季節、日本海地区でもずば抜けた魅力を持つ観光シーズンを迎えます。

幻想的な漁火コウナゴ漁

寿都湾がもたらす「食」の魅力は、他の追随を許しません。まさに天然の好漁場そのもので、まず春の訪れを告げるコウナゴ漁が4月下旬から始まります。
たくさんの漁船が海上に集まり、夜間に集魚灯で魚を集めて敷き網ですくい取る様子は、陸からでも見ることができ、遠くからは漁火となって春の夜の寿都湾を幻想的に彩ります。
コウナゴは生炊きしらす佃煮の原料で、町内にはいくつもの水産加工場があり、寿都の代表的な特産品となっています。また、歌棄地区に昨年オープンした「スッツ・オイスター・ビレッジ」内の「寿都湾かき小屋」では、漁期の4月下旬~5月下旬まで、食通の間で大絶賛の「生しらす丼」が食べられます。
これは、水揚げされたばかりの新鮮なコウナゴをどっさりのせた丼料理で、期間限定なだけではなく、漁があった日にしか食べられません。同様に大人気の「釜揚げしらす丼」は、浜直市場や道の駅でも、7月くらいまでは食べられます。

 

幻想的な寿都湾のコウナゴ漁

 

漁のあった日にしか食べられない「生しらす丼」

 

春に旬 日本海唯一のカキ「寿かき」

寿都湾のもう一つの春の美味が「寿かき」。知る人ぞ知る、実は北海道の日本海地区でカキ養殖を行っているのは寿都町だけ。しかも春に旬を迎えるという希少価値のカキで、周りを森林に囲まれた寿都湾に川から流れ込む山の栄養を豊富に含んだ雪解け水をたっぷり吸収した「寿かき」は、こたえられない美味です。
前述の「かき小屋」では、季節に応じて旬のカキを提供しており、4月下旬~6月下旬は寿かきが思いきり堪能できます。大きな鉄板にスコップで豪快に盛られるカキは、フタをして鉄板蒸し焼きに。1人45分間で4500円の食べ放題プラン(北海道産カキ)は、シーズンには順番待ちが出るほどの大人気です。
寿都湾ではこのほか、3月下旬からサクラマス、ヤリイカ、夏からウニ、アワビ、春~秋にかけてブリやヒラメ、ソイ、秋サケ、冬には毛ガニ、アンコウ、マダラ、ゴッコ、周年でカレイ、ホタテ、そして沿岸定置網での水揚げ量全国トップクラスのホッケと、さまざまな海産物が獲れます。

 

春に旬を迎える珍しい「寿かき」

 

「かき小屋」の豪快な鉄板蒸し焼きガキが大人気

 

食べてよし、買ってよし豊富な海産物安値で販売

漁港には、寿都町漁協の直売店「すっつ浜直市場」があり、1年を通じてその日に水揚げされた魚介類が、驚くほど手ごろな価格で販売されていて、観光客だけでなく町民も気軽に旬の魚を求めてやってきます。
ここのお食事コーナーでは、季節ごとの新鮮な魚を使った定食のほか、夏にはウニ丼などが食べられます。
同じ漁港にある「道の駅 みなとま~れ寿都」は、大きな窓から港に並ぶ漁船が見られる珍しい道の駅です。観光案内はもちろん、寿都の特産品がずらりと販売されています。

イートインスペースでは、季節ごとの限定メニューのほか、地元の岩海苔をびっしり敷き詰めた「船澗弁当」、前浜で獲れたホッケを使った「寿都ホッケめし」、ホッケすり身がふんだんに入った「ホッケカレー」、寿都産タコと生炊きしらす佃煮を挟んだ「たことしらすのホットサンド」、冬にはアンコウでダシを取った味噌ラーメンなど、他では味わえない名物メニューが充実しています。

 

漁港にある「道の駅みなとま~れ寿都」

 

「すっつ浜直市場」

 

長い歴史しのべる建造物、寺社仏閣 見どころ多数

観光スポットは、絶景の名所・弁慶岬をはじめ多数あります。湯別地区にある「寿都温泉ゆべつのゆ」は、美肌効果が期待できる硫黄泉と、血行を良くする塩化物泉、2つの泉質が楽しめる天然温泉で、町外からも入浴客がやってくる人気の温泉です。温泉博士として有名な松田忠徳氏からも、全道トップクラスの泉質と高い評価を受けています。敷地内には、コテージ「湯郷の宿」(12月~3月は休館)もあります。
寿都町には神社が9つ、寺院が14もあります。これほど1ヵ所に寺社仏閣が密集している市町村は稀で、特に、町の開基よりも前、創祀から390年の歴史を持つ壽都神社は、桜の名所として、また神社ファンの間でも高い人気を誇ります。
ニシン漁で栄えた明治時代の歴史的建造物「橋本家(旧鰊御殿)」は、当時最高級の住宅として、釘を1本も使わない見事な工法で建てられています。2015年から本格的な改修と整備が行われ、一昨年6月には改修した土蔵が「そば処 鰊御殿」としてオープンしました。
同店は、ミシュラン北海道に評価されたそば職人が、石臼で粗挽きにした蘭越産のそば粉を使用し、寿都産の新鮮な海産物とかけ合わせた、新しい魅力を持つ本格派のそば店です。冬期は11月~3月まで休業で、4月から営業しています。
寿都町の春の観光シーズンは、4月下旬のコウナゴ漁と寿かき漁から一斉にスタートします。ゴールデンウィークの予約はお早めに!

 

歴史的建造物「橋本家」

 

その土蔵を使った「そば処 鰊御殿」

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