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特集記事

2019_11_18 | 11・12月 2019年 わがマチ自慢 連載 | , , | 編集部イーハトーブ

【わがマチ自慢】今回は士幌町

わがマチの1次産業や観光の魅力をお伝えします。今回は十勝平野の北部に位置し、畑作、酪農、畜産が盛んな士幌町です。小林康雄士幌町長にお聞きしました。

 

DATA

【人口】6,131人(H31年3月末現在)
【世帯】2,767世帯(同上)

士幌町役場
〒080-1200 北海道河東郡士幌町字士幌225番地
TEL:(01564)5-2211

小林 康雄 町長

 

太田寛一さん、安村志朗さんが士幌農業の礎をつくりました

9月までNHKで放映されていた朝の連続テレビ小説「なつぞら」で、宇梶剛士さんが演じていたのが田辺政人組合長。そのモデルといわれているのが太田寛一氏です。
太田氏は、昭和10年に上帯広産業組合に勤務して以来、昭和57年の引退まで47年間にわたり農協運動にたずさわってきました。その間、JA士幌町組合長、ホクレン会長、全農会長を歴任し、農協直営の澱粉工場の運営やよつ葉乳業創業時の社長も務めました。ポテトチップスや牛乳、バター、チーズなど、原材料を生産者自ら加工して、付加価値をつけて自ら販売するという6次化を全国に先駆けて実現した人です。
その澱粉工場の初代の工場長だったのが安村志朗氏です。昭和13年に士幌村産業組合に勤務して以来、太田氏と共に平成6年の引退まで56年間にわたり士幌農業の発展に尽力してきました。JA士幌町組合長、ホクレン理事、よつ葉乳業副社長などを歴任しています。
太田、安村の両氏は、わがマチの農業だけではなく、十勝農業をどうするか、北海道農業をどうするかを常に考えていました。そのために大物政治家とも激しくぶつかったとも聞きます。

役場の向かいにJA士幌町創立60周年を記念して建設された農協記念館があります。館内に両氏の展示室がありますので、ぜひ偉大な功労者たちの足跡を知っていただければと思います。

 

農協記念館

 

士幌農業の特徴を教えてください。

畑作は馬鈴薯、小麦、てん菜、豆・スイートコーンによる4年輪作体系を確立しています。
馬鈴薯は、昭和35年から馬鈴薯関連施設の共同利用体制を構築しました。現在は近隣8市町9JAの馬鈴薯が、わがマチに集まります。生食用の他、加工してポテトチップス、コロッケ、サラダとして販売しています。
小麦は、JA施設にて乾燥、調整され、ホクレンのオーダーにもとづき、製粉業者などに運ばれます。
てん菜は、清水町にあるホクレン清水精糖工場に運ばれて砂糖になります。
豆は小豆、大豆、金時を主に生産していますし、スイートコーンは馬鈴薯との適正な輪作体系を確立するために昭和60年度に加工設備を整備し、60戸、146㌶の作付けから始まり現在に至っています。
一方、畑作より盛んなのが酪農、畜産です。人口が約6100人のわがマチには、牛が約720
00頭います。そのうちの約50000頭が肉牛で、「しほろ牛」のブランドで人気を得ています。和牛ではなく、ホルスタインの雄で、20ヵ月ぐらい肥育して、主に関西方面に出荷しています。
農業生産額は、昨年度で約461億円。この他に加工関連の生産が約260億円あり、合わせると約721億円になります。農業生産額は十勝では1番目ですし、道内でも3番目の規模を誇っています。

 

しほろ牛

 

町立の農業高校「士幌高校」が次世代の農業の担い手たちを育てています

士幌高校には、アグリビジネス科とフードビジネス科の2つの学科があります。
アグリビジネス科では、主に野菜、草花、畜産など、農業に関する学習をメインに行い、卒業後は就農する生徒の他、農業関係の上位学校に進学する生徒が多くいます。
フードシステム科では、高校に隣接する食品加工研修センターで、本格的な食品製造実習を行っています。ヨーグルト、ベーコン、ソーセージ、ジャムなど様々な製品が生徒の手を通して生まれ販売されています。卒業後は食品関連産業への就職や調理師を目指して進学したり、大学でさらに研究を目指す生徒もいます。
一方、近年は、IoT推進事業、グローバルGAP、北海道HACCPなど全国的に注目される取り組みを行っています。士幌農業の次世代を担う若者たちが確実に育っていることを実感しています。

 

町内には道の駅が2つもあり、観光にも力を入れていますね!

平成29年4月に新築移転した道の駅「ピア21しほろ」は、大勢の方に来場していただき、2年3ヵ月で来場者が100万人に達しました。一方、旧道の駅は4月に農畜産物加工研修施設「しほろキッチン」として生まれ変わり、士幌高校との連携を図りながら、担い手の育成や加工品の開発に力を注いでいます。
もう1つの道の駅が、「しほろ温泉プラザ緑風」で、素肌に優しいモール温泉です。モール温泉とは、遥か太古の時代より、地中に埋もれた植物が長い時間をかけて堆積し、肌をつるつるにする有機酸が地下水に溶けだして湧出する温泉で、北海道遺産に選定されています。

 

しほろ温泉プラザ緑風

 

 

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