寿都町は、札幌と函館のほぼ中間、日本海に面した静かで歴史の古いまちです。西から東に走る弓状の海岸線が見事に整った寿都湾の眺めは、快晴のとき、霧に煙るとき、あるいは夕暮れ時、夜景と、いずれも絵になる美しさです。山と海に囲まれた自然環境もすばらしく、四季折々の海の幸が美味しく、歴史を感じさせる建物、港が見える個性的な道の駅、自然に囲まれた天然温泉など、見て感じて遊んで楽しむスポットに事欠きません。
350年の歴史を感じる観光スポット
寿都町には、札幌から国道5号線で小樽市内を抜け、余市町、仁木町、共和町を経て岩内町からソーランラインで向かいます。日本海の眺めを楽しみながら、最高のドライブコースが続きます。
寿都町は、開基350年という北海道でもトップクラスの歴史を持つまちです。江戸時代からニシンやサケ、マス、アワビなど海産物の交易の地「商場」として栄え、現在でも道指定有形文化財のカクジュウ佐藤家、釘を1本も使っていない橋本家(旧鰊御殿)などの貴重な歴史的建造物がいくつも残っています。
隣接する島牧村との境、湾に突き出た「弁慶岬」も観光スポットとして有名です。その昔、武蔵坊弁慶が奥州(今の東北の一部)から逃れ、辿り着いたのがこの地で、源義経再挙の兵が蝦夷地に向かったと聞き、来る日も来る日もここで船の到着を待ち続けた―という伝説があります。
岬は公園として整備され、広い駐車場、気持ちのいい遊歩道などがあり、夕陽の名所でもあります。日本海の鮮やかな夕景の中にくっきり浮かぶ弁慶の銅像の姿は、一度見たら忘れられません。
寿都3大美味 しらす佃煮、しらす丼、寿かき
4月下旬から約1ヵ月間行われるコウナゴ漁は春の風物詩です。夜、湾の沖合に浮かぶ漁船の漁火は、道南・日本海の旅情たっぷりの眺めです。
コウナゴはイカナゴの稚魚のことで、これを厳選し最高の鮮度で加工したものが、寿都特産の「生炊きしらす佃煮」です。
町内には水産加工会社が幾つもあり、それぞれに秘伝の味付けと職人の技術があります。醤油や水あめで炊き上げたしらす佃煮は、ご飯の友、酒の肴に最高です。
寿都の伝統的名産・生炊きしらす佃煮
周囲を緑豊かな山に囲まれ、栄養豊富な春の雪解け水が流れ込む寿都湾で養殖されているのが、自然な塩味と甘みの強い「寿かき」です。漁期は4月下旬から約2カ月で、春が旬の日本海カキです。
歌棄地区にある「スッツ・オイスター・ビレッジ」内の「かき小屋」では、4月下旬から大きな鉄板で豪快に蒸し焼きにした「寿かき」が思いきり味わえます。
また、コウナゴ漁があった日だけ、「かき小屋」と期間限定の店舗「すっつ しらす会館」で、新鮮な生のコウナゴをご飯の上に盛った絶品の「生しらす丼」が食べられます。
茹でたコウナゴをのせた「釜揚げしらす丼」も大人気メニュー。同店のほか、漁協直営の「すっつ浜直市場」や道の駅「みなとま~れ寿都」で、夏くらいまで食べられます。
春の旬・寿かき
新鮮な魚介メニュー多数道の駅と漁協の浜直市場
寿都湾では、コウナゴやカキのほかにも、四季を通じて多彩な魚種が獲れますが、ほぼ一年中沿岸定置網で獲れ、水揚げ量日本一を誇るもう一つの名産がホッケです。
漁港のそばにあるため、カウンターから漁船などが一望できる道の駅「みなとま~れ寿都」では、前浜のホッケを使った「寿都ホッケめし」が名物です。熱した鉄板にご飯とホッケの蒲焼がのったメニューで、食欲をそそる香ばしさとホッケのうまさが抜群です。ホッケすり身が入った「ホッケカレー」、地元の岩海苔たっぷりの「船澗弁当」などもおすすめです。もちろん各社の生炊きしらす佃煮をはじめ、寿都の特産品も購入できます。
道の駅のすぐ近くにある「すっつ浜直市場」では、寿都湾の旬の魚が浜値で買えるほか、季節ごとの魚をふんだんに使った定食や丼もの、ラーメンなど、他ではまず食べられない寿都ならではの美味が目白押しです。
漁期限定の美味・生しらす丼
こちらも大人気・釜揚げしらす丼
天然温泉にコテージ、港そばに新ゲストハウスも
そして旅といえばやはり温泉。「寿都温泉ゆべつのゆ」は、高台の林に囲まれた閑静な湯。泉質は全道トップクラスで、硫黄泉と塩化物泉の2種類。血行を改善し、美肌効果が期待できます。ジャグジーや露天風呂、サウナなどを完備しています。
敷地内にあるコテージ「湯郷の宿」は、吹き抜けのロフト構造。定員4、6、8名用があり、リビングにキッチン、シャワー室、冷蔵庫、電子レンジほか調理用具一式が揃っています。料金は1棟1泊4名まで1万円(4名を超える場合は1名につき2千円)。
寿都温泉ゆべつのゆ外観
明るく気持ちのいい大浴場
また、昨年夏、寿都漁港に近い市街地中心部に簡易宿泊施設「ゲストハウス風泙(かざなぎ)」がオープンしました。外観も室内も明るくおしゃれで、寿都町を観光する拠点に最適です。
定員9名で3人部屋1室、2人部屋3室。駐車場、シャワールーム、共用キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、冷暖房、Wi‐Fi完備です。
料金は大人1室1名3500円(2名以上は1名につき3000円)、小学生1名が大人料金の50%、幼児1名1000円(寝具を使用しない場合は無料)。宿泊客には町内の飲食店で1品サービスのクーポン券がプレゼントされます。
予約・問い合わせは寿都温泉ゆべつのゆ TEL 0136-64-5211まで。
ゴールデンウィークの予約はお早めに!
港のそばにあるお洒落なゲストハウス風泙