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特集記事

2019_09_19 | 2019年 9・10月号 特集 | , , | 編集部イーハトーブ

令和 元年 『元気!ミルク大学』開校!

歴史ある体験学習イベントとして広く知られ、毎年多くの応募者が集う『元気!ミルク大学』。3泊4日間にわたる貴重な体験の数々は、一生忘れられない夏休みの思い出とともに、将来への財産となることだろう。

牛や牛乳、酪農を学ぶ

今年で22回目を迎えた体験学習イベント『元気!ミルク大学』(主催/北海道牛乳普及協会・ホクレン農業協同組合連合会)が、8月9日~12日の3泊4日間にわたって酪農学園大学(江別市)で開校された。

 

「今日から3泊4日間、頑張るぞー!」

 

牛や酪農、牛乳や乳製品のことを学びたいと、道内各地から集まった小学校5・6年生の男女40人が、4日間お世話してくれる大学生のお兄さんお姉さん(リーダー)10人との共同生活の中で、さまざまなことを学び・体験することで、牛乳や乳製品のことを今まで以上に好きになり、そして心身ともに成長するきっかけを得ることができた。
大学ではさまざまなカリキュラムが組まれているが、特に子どもたちにとって忘れられない思い出となったのは、新たな友達やリーダーとの出会い、一緒に協力し合った共同生活の中で経験したたくさんの初めてだ。搾乳体験や餌やりなど、牛とのふれあいをはじめ、中でも今年の子どもたちの興味を集めたのが牛の体の仕組み、胃の中に住む微生物の役割に関することだった。体験発表会でも多くの子どもたちが微生物について語り、卒業式の挨拶に立った北海道牛乳普及協会の瀧澤義一会長からは、「微生物が牛の消化にとって重要であることを覚えていただきうれしく思います。感動しました」と、賛辞の言葉が贈られた。

 

思いもよらない質問には先生もタジタジ

 

顕微鏡で見る牛の胃の中に住む微生物に興味津々な子どもたち

 

牛の餌やり体験。ちょっと怖いのか、腰が引けちゃったね

 

ミルク大使880人

元気!ミルク大学の卒業生は、今年で880人となった。卒業生は〝酪農王国〟〝ミルクランド〟と呼ばれる北海道の未来を担ってくれるであろう「ミルク大使」に認定される。ミルク大使とは、牛乳をたくさん飲んで毎日元気に過ごし、大学で学び体験したこと、酪農の大切さ、牛乳・乳製品の素晴らしさを家族や学校の友達など、一人でも多くの人に伝えることが使命となる。
ミルク大使の中には、大学生として酪農学園大学に十数人が入学しているほか、農業や酪農業を営む実家を継いでいる卒業生も少なくない。今年の卒業生の中にも実家が酪農業を営む子どももいて、発表会の中で「4日間で学び・体験したことで、牛への感謝の気持ち、酪農家である両親の大変さがよく分かりました。今回の経験を生かして家でも搾乳をやりたい」と話していた。

 

たくさんの初めてに感動!「ミルクや牛の素晴らしさをもっとみんなに知ってほしい」

 

搾乳前には模型を使ってミルカー装着練習

 

アイスクリーム作りを体験。氷の温度は何度かな?

 

アイスクリーム完成!おいしくできたかな?

 

ミルクキャロットコロッケづくり。上手にできたかな?                  包丁を使うのがうまいね

 

みんなで協力し合った調理実習

 

リーダーへの感謝を込めた一皿が完成です

 

さらに、以前より牛乳・乳製品がもっと好きになったという子どもたちも数多く、今もさまざまな場でミルク大使の使命を果たしてくれているに違いない。卒業式の挨拶に立った代表の子どもたちからは「牛の体の仕組みや、搾乳には牛とのコミュニケーションが大切だということ、牛と微生物がお互いに役立ちながら生きているということに感動しました。今回の体験で、自分も仲間と協力して日常に取り組むことにやりがいを感じました。ミルク大学で得た知識をもとに、もっとミルクや牛の良さを周りのみんなに伝えていこうと思います」「コップ1杯の牛乳でもたくさんの人の苦労があるということを知りました。これからはミルク大使として、牛乳を嫌いな友達や家族にも、牛乳を好きになってもらえるよう、牛乳や牛のこと、酪農の大変さなども伝えていけたらと思います」と、頼もしい言葉が語られた。

 

4日間で学んだこと、印象に残ったことを体験発表として制作

 

最終日の体験発表会。学びの成果が十分に伝わってきたと称賛の声も

 

体験発表会には保護者も参加。子どもたちの発表に大きな拍手が送られた

 

経験は貴重な財産に

最後に、北海道牛乳普及協会の瀧澤会長から、「大学生のお兄さんお姉さん、道内各地から集まったお友達と一緒に昼夜を過ごす共同生活は楽しかったことの方が多かったと思いますが、つらかったこともあったと思います。しかし、これら全ての経験と思い出はきっと将来において貴重な財産となり、皆さんを大きく飛躍させてくれるきっかけになってくれるものと期待しています」との祝辞が贈られた。
今年も新たに40人が巣立って行った『元気!ミルク大学』。ミルク大使みんなの飛躍と、活躍を願うとともに、次回23回開校にも期待したい。

 

卒業式で卒業証書とミルク大使認定証が授与された

 

リーダーたちと別れのとき。寂しくて涙する子どももいたが、元気に笑顔で手を振る子どもが多かった

 

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