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特集記事

2021_01_16 | 1・2月号 2021年 イベント 特集 | , , | 編集部イーハトーブ

毎日の食卓にもっと道産ナチュラルチーズを

北海道とチーズの関わりは古く、1876年(明治9年)、開拓使の要請で北海道を訪れ、後に「北海道酪農の父」と称されたアメリカ人のエドウィン・ダンが開いた札幌市真駒内牧牛場で本格的なチーズの製造が行われたことに始まる。その後、彼から牧場経営やチーズなどの製造を学んだ先人たちによって、現在の北海道ナチュラルチーズの礎が築かれた。以来140年以上たった今、道内各地のチーズ工房と乳業メーカー工場で、それぞれの地域や農場の特性を生かし、原料や製法も異なる多種多彩な味わいのチーズが作られている。そんな道内各地の魅力あふれるチーズを広く知ってもらい、もっと親しんでもらおうと、11月11日の「チーズの日」にちなんで北海道牛乳普及協会とホクレン農業協同組合連合会の主催より「道産ナチュラルチーズセミナー2020」が11月3日に札幌グランドホテルで開催された。

地元特産品を生かした高校生の活動に称賛

セミナー第一部は、昨年10月に開催されたチーズコンテスト「ジャパン・チーズアワード2020」で「フィバスの瞳」が銅賞を獲得するなど、数々の受賞歴を持つ岩見沢農業高等学校食品科学科牛乳・乳製品製造専攻班の3年生4人による学校での活動やチーズの研究に関する発表が行われた。同校の取り組みは、地元空知地域の特産物を活用した乳製品の開発やコンテストへの出品にとどまることなく、地域との連携を深め、さまざまなネットワークを構築し、空知産農産物のPRにまで広がりをみせる。今年度は新型コロナの影響などもあったが、全国の研究機関や理系大学などで広く購読されている日本農芸化学会の日本語月刊雑誌「化学と生物」10月号に研究内容が掲載されるといったうれしい出来事もあったと言い、「空知から全道、全国へ地域資源を活用した製品を発信していきたい」と頼もしい言葉が語られた。

 

岩見沢農業高校生徒による研究発表の様子

 

世界的評価も高く、期待高まる道産チーズ

第二部では、道内のチーズ工房を代表して共働学舎新得農場代表の宮嶋望氏による「日本の本物のチーズとは?」と題した講演が行われた。宮嶋氏は酪農家工房の先駆けとして道産ナチュラルチーズの発展期を支えてきた一人で、日本で初めて生産者としてシュバリエ(チーズ鑑定士)の称号をフランスから授与。2008年に開催された「北海道洞爺湖サミット」ではチーズアドバイザーの一人として参加。16年にはメートル・フロマージュ(チーズ熟成士最高位)の称号を授与。18年には黄綬褒章を受章。現在も理想のチーズ作りを追求するとともに、日本とフランスを舞台に鑑定士の育成に情熱を注いでいる。

講演では、「第1回オールジャパンナチュラルチーズコンテスト」で最優秀賞を受賞し、それ以降も国内外のコンテストで数々の賞を受賞している共働学舎新得農場のチーズをはじめ、道産チーズが「北海道洞爺湖サミット」でも各国首脳から高い評価を得るなど、世界的にもレベルが上がってきている理由として、北海道の土地柄や地理的条件が大きく作用していることについて話してくれた。例えば、硬水が主体のヨーロッパに対して、日本の水質のほとんどが微生物の作用しやすい軟水であること。朝日と夕日がしっかりと当たる地形で、牛の餌となる栄養豊富な草の生産力が高いこと。火山国という環境は微生物が多く、それによって発酵が上手くいく条件が数多くそろっていること。そして、牛の栄養となる軟水や草、飼育環境が日本の生乳、チーズの味を作っているということを理解したうえでチーズ作りが行われている現実と、今後もっとおいしいチーズが誕生してくるだろうと、期待感の大きさを参加者に伝えてくれた。

 

共働学舎新得農場代表の宮嶋望氏の豊富な経験と深い知識が語られた

 

おいしい食卓を提案

その後、札幌グランドホテル名誉総料理長の小泉哲也氏による、スーパーなどで手に入る食材や、冷蔵庫に残っている野菜などを使って、家庭でも簡単に作れるチーズ料理の実演と試食が行われた。
実演では「豚肉のチーズとハム包み焼き コルドンブルー風」と「チーズトースト ラタトゥイユ添え」を調理したほか、加えて試食では「簡単オニオングラタンスープ」と、岩見沢農業高等学校の「フィバスの瞳」と音更町・十勝品質事業協同組合の「十勝ラクレットモールウォッシュ」をはじめとする6種類の道産チーズが提供され、参加者は道産チーズに対する認識を高め、大変おいしいひと時を過ごした。
試食料理のレシピは、北海道牛乳普及協会ホームページ(http://www.milk-genki.jp/)のイベントレポート・コーナーで紹介しているので、ぜひ参考に。

 

試食として提供された6種類の道産ナチュラルチーズ

2021_01_16 | 1・2月号 2021年 イベント 特集 | , ,