『佐々木榮松記念 釧路湿原美術館』は、道の駅・阿寒丹頂の里向かいにあります。湿原の自然と生命を描き続けた道東の原野画家・佐々木榮松画伯。美術館を開設し、後世に作品を遺したいという画伯の遺志を実現するため、全国のファンの寄付によって2013年6月にオープンしました。収蔵する作品約600点は、油絵のほか水彩、デッサン、魚拓なども含み、そのうち約30点を3室で常設展示。うち1室は年2回、企画展示で作品が入れ替ります。
佐々木榮松は、1913年に北見国置戸で生まれ、独学で絵を描き始め、少年期以降、釧路市のリトグラフ専門の石版印刷会社で働き、水彩・デッサン・石版画など、多彩な表現手法を学びました。
50代で世界各国を外遊。60代は日本各地で個展などを開催。70代でJR北海道釧路支社に、全国初の駅舎内画廊を開設、80代に各種企画展を開催。90代は東京の画廊で3年間個展を開催。2011年に道立釧路芸術館などで9回の個展を開催し、翌12年1月11日、98歳で亡くなりました。
「釧路湿原」1987
青年期後半から「日本人の油絵を描く」という主義の下、戦後は釧路湿原に独り寝起きしながら、湿原の自然と生命を主題として、美術関係団体には属さず、孤高の画家として制作を続けました。
その画風は、赤、青、黄、黒、白の多彩な色使いに特徴があり、繊細さと幻想的な美しさを併せ持っています。湿原を題材とした数多くの作品は、「見たとおりに描くのではなく、見えるように」描いたものとされ、道東の風土の心象表現が制作の基となりました。
開館時間/冬季(10月~3月)午前10時~午後3時30分、夏季 午後4時30分まで。
定休日/無休
入場料/一般・大学生1000円、シニア(65歳以上)900円、中学・高校生800円、3歳~小学生300円
佐々木榮松記念 釧路湿原美術館
釧路市阿寒町上阿寒23線38
TEL: 0154・66・1117
shitsugenmuseum.sakura.ne.jp