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特集記事

2021_09_08 | 2021年 9月・10月号 巻頭記事 | , | 編集部イーハトーブ

安平町 震災で育まれた人の輪で未来を見据えた新しい町づくりへ

2018年9月6日、胆振東部が激しく揺れた。震源地に近い厚真・安平・むかわの三町は震度6強~7を計測し、被害は道央圏に及んだ。厚真火発が停止し日本初の「ブラックアウト」も経験した。それから3年経ち、安平町は完全復旧し、未来を見据えたまちづくりへ向けて大きく動き出している。

安平町の震災復旧に駆けつけたボランテイアの人員は延べ5,000人。「ボランテイアの活動なくして、安平町の今はない」と町民は感謝を述べる。復旧後も一部は安平町に留まり、「地域おこし協力隊」などで安平町に関わる。こうした人的交流は復旧活動が遺した大きな財産だ。
地方自治体は少子高齢化が進行し、どの町も若い世代の流出に悩まされてきた。このまま人口減少が続いたら自治体は崩壊する。街に新風を吹き込む若者が留まると、地域活性化に好結果を生む。若者の定着率で町の未来が決まる。そういった意味で安平町は震災に遭遇はしたが、若い世代が定着し、地元に目を向け始めた。
安平町は平成の大合併時に〝早来町〟と〝追分町〟の合併によりできた町。安平町復興のシンボルとして、道の駅と小中一体型校舎の建設がある。
震災から半年後、まだ震災の傷跡残る中で「道の駅あびらD51ステーション」がオープン。機関車を展示する道の駅は全国でもここだけ。多くの鉄道ファンを魅了する。オープンから1年3か月で来場者百万人を達成した。
早来小学校と早来中学校は近接していたが、中学校は液状化現象で使用不能。そこで、最先端の教育設備を取り込んだ小中施設一体型の新校舎を建設することになった。図書館やキッチンスタジオは町民にも開放される。震災から3年、安平町の元気が戻った。一歩ずつ前進する。
(山田)

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