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特集記事

2021_09_08 | 2021年 9月・10月号 特集 | , , | 編集部イーハトーブ

ドローン専用肥料「スマート高窒素」を開発
神楽農機JAPAN㈱

ドローン米の誕生!

神楽農機JAPAN㈱代表の市川範之さんとドローンとの関わりは2015年までさかのぼります。
「ドローン技術を活用し、農薬に頼らない米づくりはできないか」
「ドローンを産業用ヘリのような農薬のイメージではなく、オーガニックと安全な食のイメージに繋げられないか」
このような想いの具現化からドローンメーカーとの共同研究をスタートさせたのが始まりでした。
いろいろな実証実験が行われました。オーガニックの生産過程ではどうしても稲の生育にムラができます。様々なカメラセンサーを搭載したドローンを活用することでムラがあるところを把握できます。地上から見えなかった場所へも的確に追肥ができるので、肥料のコストも抑えられ、収穫量を上げることができました。
また、今までは人工衛星が農業では中心でしたが、ドローンにより撮りたい時にいつでも、しかも精密なセンシングをすることができるようになりました。ほ場をドローンで自動航行させマルチスペクトラムセンサーで撮影します。このマルチスペクトラムセンサーでは、人間が見ることができるRGBといった可視光だけでなく、人間の目では見えないレッドエッジや近赤外で撮影することができます。そのデータを解析することにより、農作物の生育状態や健康状態、病害虫の発生を確認することができます。

その大きな結実が、2017年に販売された「ドローン米」でした。ドローンのチェックにより無農薬栽培されたお米は、パックご飯加工の他、東京の外食産業にも流通し人気を博しています。

 

ドローン技術を農業に

 

ドローン専用肥料「スマート高窒素」を開発!

その後、ドローンによる防除剤の散布や直播なども試みられました。そして昨年、ドローン専用の肥料を開発しました。
「ドローンを導入以来、専用の肥料に着目していました。より省力化が可能で最適な肥料ができないかという研究を重ねて、肥料メーカーと開発に至りました。商品名は『スマート高窒素』といいます」と市川代表。

 

スマート高窒素

 

従来、農業用肥料は3つに大別されます。「化成肥料」は、肥料ひと粒ひと粒の中に、窒素、リン酸、カリの3成分のうち2成分以上を含むように造粒した肥料をいいます。「BB肥料」は、2種類以上の肥料を粒のまま均一に混ぜ合わせて製品にしたもの。BB肥料は低コストで製造でき、同じ成分の化成肥料に比べて低価格で供給することができます。
「単肥」は、単一原料の肥料で、基本的には肥料3要素のうち1成分のみを含むものをいいます。
開発された「スマート高窒素」の特徴は、高窒素(40%)+カリ(5%)の成分になっています。

従来の肥料の窒素成分の約3倍もあるので、肥料の散布回数を省力化することができます。また、最適な粒の大きさと特殊コーティングにより、手にべとつかないメリットもあります。
「昨年にやっと実用化することができ、当農場では2割ほど収量がふえました。ドローン専用なので正確に肥料を撒くことができ、無駄に使用することはありません。より一層の省力化のためにぜひ活用してください」と市川代表。
価格は1袋(10キロ)3980円(税別)。ネットを中心に販売中。

 

神楽農機JAPAN㈱

旭川市西神楽3線8号1 -89

TEL: 0166・73・9800

 

 

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