IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー

IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー
  • 紙面版を見る

特集記事

2022_03_13 | 2022年 3・4月号 巻頭記事 | | 編集部イーハトーブ

道内各地の地域おこし協力隊は若者たちの新しい働き方改革

道内の市町村では、毎年一般公募で地域おこし協力隊を募集している。公募に道内外から若者たちが駆け付け、採用なら有償で最長3年間、自治体の地域おこし事業に携わる仕組みだ。大都市は「個」の存在感も薄まりがちだが地方は人が疎な分、個が際立つ。自分探し、個の可能性試しにもってこいの仕事だ。

戦後最初の民選で選ばれた穂別村長は「穂別をイーハトーヴの里にしたい」と考えた。その経緯を知りたくて、旧穂別を取材して本紙に掲載した。「銀河ステーション・富内駅」「イーハトーヴ文庫」や、宮澤賢治が設計した花壇「涙する瞳」を紙面で取り上げた。
その旧穂別町は合併して今は「むかわ町穂別」、もともとは恐竜化石で話題になったまちだ。通称「むかわ竜」だが学術名は「カムイサウルス・ジャポニクス」。旧穂別の市街地に入ると、まちのいたるところに恐竜や化石をモチーフにした構造物が設置されているから面白い。まさに恐竜と共生するまちと呼ぶに相応しい。感染症対策で閉館中だが「穂別博物館」に「むかわ竜」などが展示されている。ぜひ御覧あれ。
さて、今回のテーマは「地域おこし協力隊」。むかわ町の場合、これまで協力隊は17名が着任したが、三年後の身の処し方もなかなか興味深い。
そのまま延長線上の仕事に赴く者、例えば農場で働いて、「農業を生涯の仕事」と決意して新規就農する者、森関係で仕事をしてその関連で森林組合に就職する者もいた。
三年間の縁で、行き来があった地元企業に就職する者もいる。はたまた身内で〝まちなかカフェ”を開業したり、自ら起業して地域に留まる者もいる。若者の新移住スタイルか。若者たちの選択肢は多岐にわたる。既定路線を歩むのも自由だが、少し枠から飛び出て羽ばたいてみるのも若者の特権だ。

(山田勝芳)

2022_03_13 | 2022年 3・4月号 巻頭記事 |