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– GAP認証農場を 訪ねて Series16 –
国内初のコメの団体認証を取得
新篠津村農業協同組合 新篠津村クリーン米生産組合
【イーハトーヴ × ゆめさぽ Collabo‐Campaign】

食の安全は食品に関わるあらゆる産業界に求められる必須条件。農業界でも農畜産物の安全基準ともいうべき「GAP認証」へ向けた動きが活発だ。今回の取材先はコメでGLOBALGAPの団体認証を取得した新篠津村農業協同組合(早川仁史代表理事組合長)。記者は「株式会社ゆめ・きた・さぽーと」の大滝昇社労士(ASIAGAP指導員)と境毅取締役と共に同農協を訪ねた。

文/山田勝芳

泥炭地を美田にした先人現世代が美田を次に繋ぐ

新篠津村の農業といえば、地域挙げて取り組む「YES!clean」認証や、有機農業の先進地としてつとに有名だ。これまで一貫として、安心・安全で品質の高い農産物を生産し、大消費地・札幌に近いという地の利を最大限生かしたのが新篠津の農業だ。
しかし、開墾時代を振り返れば、劣悪な泥炭地ゆえ最初は敬遠されがちな土地だった。したがって、村史はどの地域より遅れて1900(明治33)年から始まる、道内でも結構遅い方だ。入植者たちは困難な泥炭地を果敢に攻め、とうとう美田として成功させてきた。
今度は現世代が農業を発展させ、次世代に美田を繋いでいく役周りだ。このように、新篠津村の農業は内に潜めた苦難の歴史を有しつつも、消費者からの引き合いに恵まれ、豊かな農村社会を築いてきた。

 

早川仁史組合長

 

世界最高難易度の欧州型GAPを目指そう

「オリンピックはGAPでいくらしい」と、早川仁史さん(現・代表理事組合長)は農協青年部の面々を前に話した。真正直に受け止めた青年たちはGAPを目指すことを決断。しかも、JGAPでもなく、ASIAGAPでもない、まさに最高難易度のGLOBALGAPに挑戦だ。
挑むのは農協青年部の十二人衆だ。「どうせ挑戦するのなら、最高難易度のGLOBALGAPを目指したい」一致団結して行動開始だ。早川組合長も「GAPしてみる?」と促したのだから、最後まで農協の一事業と位置付けて見届けなければならない責任がある。

 

GLOBALGAPで団体認証を取得した青年部の12人

 

心配をよそに、彼らはやり遂げた。しかも全国で初めてコメで団体認証を取得した。取得は2020年12月だから、早二年目に入った。
GLOBALGAPを取得したがJGAPやASIAGAPのように農産物にそれを表示できない。欧州では販売云々ではなく、農業は農家個々のレベルを高めることであり、目先の利益に飛びつかない。輸出も徐々に伸びてきているが、私たち消費者も青年たちが作った米を応援したい。

2022_01_14 | 1・2月号 2022年 GAP認証農場を訪ねて イーハトーブ 連載 | , ,