記録的な豪雪が山場を越え、冬の長い北海道にもようやく春の兆しが見え始めました。日本海地区でも屈指の風光に恵まれた寿都町では、４月下旬からいよいよ伝統のコウナゴ漁や寿かきの水揚げが始まり、一気に春の観光シーズンを迎えます。また、寿都町では新しい名産品として、新鮮なバジルの出荷が周年でできるようになり、これを使った爽やかな風味の焼酎やソフトクリームが、昨年から寿都を訪れた観光客に大好評です。
絶品『生しらす丼』『寿かき』と春の夜の漁火
寿都町で最も有名な名産品・生炊きしらす佃煮の原料となるコウナゴは、毎年４月下旬から５月下旬までの約１ヵ月間が漁期となります。夜、集魚灯を点した漁船で漁を行う風景が幻想的な漁火となって、春の旅情を否が応にもかき立てます。
まさに旬の美味！ 生しらす丼
夜の寿都湾で行われるコウナゴ漁。幻想的な漁火が鮮烈
歌棄地区のスッツ・オイスター・ビレッジ内「寿都湾かき小屋」では、漁期の間、旬限定の美味『生しらす丼』が味わえます。鮮度抜群の生コウナゴをふんだんに載せた丼料理で、これ目当てに寿都町を訪れる観光客も少なくありません。食べられるかどうかはその日の漁次第です。また、ふっくらと火を通した新鮮なコウナゴの丼料理『釜揚げしらす丼』も、上品な塩味がたまらない美味です。
珍しい日本海産カキ『寿かき』
そして同時期、道内日本海地区では唯一のカキ『寿かき』の水揚げも始まります。通常、カキの旬は冬とされていますが、『寿かき』は例外的に春が旬という珍しいカキ。
町の全面積の８割近くを占める豊かな森林から、山や森林の栄養をたっぷりと含んだ雪解け水が寿都湾に流れ込み、甘く濃厚なカキを育んでいます。
「寿都湾かき小屋」では、４月下旬から６月下旬にかけて、１人４５００円の食べ放題プランで、貴重な『寿かき』を殻つきのまま豪快な鉄板焼きで堪能できます。
歴史の香り いで湯と宿
源泉掛け流しの『寿都温泉ゆべつのゆ』は、美肌効果が高いとされる硫黄泉と、血行改善効果が高いとされる塩化物泉の２種類の泉質が楽しめ、敷地内にある吹き抜けロフト構造のコテージ『湯郷の宿』で宿泊できます。宿泊料は１棟１泊４名まで１万円（詳細は問合せ）。
寿都温泉ゆべつのゆ 大浴場
漁港から徒歩で行ける簡易宿泊施設『ゲストハウス風泙（かざなぎ）』は、冷暖房やシャワールーム、Ｗｉ‐Ｆｉ完備のお洒落なゲストハウスです。宿泊料は大人１室１名３５００円（２名以上は１名毎に３０００円）。予約・問い合わせは℡０１３６‐64‐５２１１『寿都温泉ゆべつのゆ』まで。
ゲストハウス風泙(かざなぎ)
開基３５０年の長い歴史を持つ寿都町には、数々の歴史的建造物があります。中でも特に有名なのが、ニシン漁全盛の栄華を伝える、釘を１本も使わない当時最高級の２階建て木造建築・旧鰊御殿『橋本家』です。
その土蔵を改修したそば店『鰊御殿 昌の屋 寿都店』は、幌加内産の厳選したそば粉と道産小麦粉で手打ちした二八そばを提供しています。腰のある細めのそば、きりっとした辛めのつゆがそば好きを唸らせます。毎週水曜定休・TEL 0136-64-5677
新たな特産品『風のバジル』
寿都町の新しい特産品『風のバジル』は、一昨年からハウス水耕栽培にチャレンジして誕生した農産物です。
ハウスには、クリーンエネルギーである風力発電とバイオマスボイラーの熱源を使用。月平均で100㎏を生産し、フレッシュバジルや乾燥バジルとして『道の駅みなとま〜れ寿都』や『寿都温泉ゆべつのゆ』などで 売しているほか、地元加工品でも『風のバジル』を活用した新メニューが開発されています。
『風のバジル』フレッシュ
また、一昨年12月から販売された『バジル焼酎～壽（ことほぎ）』は、ニセコ山系の雪清水と羊蹄山の湧水にこだわり、仕込みの際に『風のバジル』を３％以上入れて発酵・蒸留させた米焼酎で、爽やかなバジルの香りと、すっきりとした飲み口が女性からも支持を得ています。
バジル焼酎～壽（ことほぎ）
もう一つが、昨年夏に旧鰊御殿の土蔵にオープンした『シーニックカフェ』で食べられるバジルソフトクリームです。
新鮮な『風のバジル』とミルクがおりなす濃厚さとさっぱりした後味が好評で、ＳＮＳで人気が急上昇しました。バジル味とバジル＆バニラミックス味でワッフル３５０円、コーン３００円。
営業期間などの問い合わせは、寿都町役場産業振興課 TEL0136‐62‐2602
鰊御殿に隣接したシーニックカフェ
爽やかなバジルソフトクリーム
