わがマチの1次産業や観光の魅力をお伝えします。今回は「スイートでほっとするまちすながわ」をキャッチフレーズにしている空知管内の砂川市です。善岡雅文市長にお聞きしました。
【DATA】
【人口】16,015人(令和4年6月末現在)
【世帯】8,640世帯(同上)
砂川市役所
〒073-0195 北海道砂川市西7条北2丁目1-1
TEL: (0125)54-2121
JA新すながわの「カエル倶楽部」は、カエルと共存できる、環境にやさしい米作りを目指しています!
わがマチを本所とするJA新すながわ(エリアは砂川市と奈井江町)の11戸の米農家は、カエル倶楽部という、ほ場のカエルと共存できる、環境にやさしい米作りの集団を結成しています。
農薬75%減、化学肥料を一般的なゆめぴりかの半分以下とする高度クリーン米のゆめぴりかを全道で初めて生産し、平成26年度北海道米麦改良協会共励会で「生産グループ」「個人の部」それぞれで最優秀賞を獲得。翌年には第1回ゆめぴりかコンテストで最高金賞を獲得し、その品質は高い評価を受けています。
また、東京のすずのぶという米卸と提携し、関東エリアの方々にもわがマチのお米を食べていただいています。
砂川市長 善岡 雅文 氏
ただ、わがマチは農地が小さく、兼業農家が多かったため、農地の大規模な基盤整備ができていません。農地面積は約1500㌶で、道内179市町村中140位に甘んじています。マチ自体も78·68㎢と小さく、国道12号線と鉄道と高速道路の間にマチが成り立っています。大規模農業ができないかわりに、少量だけど品質にこだわった農業を目指しています。
お米以外の農産物を教えてください。
たまねぎの栽培は昭和38年ごろ始まり、今では約91㌶で栽培しています。たまねぎの生産では断トツで北見市になるわけですが、北見で価格が高ければこちらが低くなり、北見市が低ければこちらが高くなるという微妙なバランスで成り立っていますね。
また、中玉、ミニトマトなどのトマトの栽培も盛んです。一時期は平取町に次いで、5億円ほどの売り上げがありました。年々、栽培農家が減り、今では8ヘクタールで栽培しています。
りんごは2戸の農家で栽培しています。地元のナカヤという菓子店にアップルパイの原料として提供している他に、「りんごの木のオーナー制」といって、りんごの木を守るために、お金を出してもらい、その代価としてその木になるりんごをもらうというもので、人気の制度となっています。
わがマチに1戸しかない養鶏場の卵は、ある有名なシェフが大絶賛し、全部私の店舗に卸してくれと言われたほどの逸品です。
ナカヤのアップルパイ
農業の6次産業化に向けた取り組みを教えてください。
農家の方々は、ジェラートアイスなどのスイーツ製造販売、ファームレストランの経営、ワイン、ジュース、ジャムなどの販売、先述したりんごの木のオーナー制やブルーベリー狩り、酒店と連携して生まれた日本酒の販売など、様々な6次産業化に向けた取り組みをしています。
岩瀬牧場(一の沢237-6)のジェラートアイスや各種スイーツ、ファームレストランは大人気で、駐車場がほとんど満車の状態です。
黒田農園(焼山264)のファームレストランも人気ですし、東豊沼高橋農場(東豊沼352)では、収穫したブドウのみ使用し、岩見沢市の10R(トアール)で委託醸造した白ワインを販売しています。
岩瀬牧場
また、黒瀬ラベンダー園(一の沢62)は、野菜などの直売所もあり、入園料無料の人気の景勝地でしたが、ラベンダーが老木化したため、観光資源としては衰退していました。しかし、ボランティアの協力を得ながら改植や管理を行い、景勝地として復活を目指しています。
黒瀬ラベンダー園
最後に観光イベントを教えてください。
春に桜が満開の中、北海道子どもの国で「子どもの国フェスティバル」が行われ、市内外から1万人を超える人で賑わいます。また、5月中旬に北光公園で開催される「すながわ緑と花の祭典」は、わがマチを代表する一大イベントです。花の苗の無料配布を始め、フリーマーケットなどが行われます。
夏にはオアシスパークで「ラブ・リバー砂川夏まつり」が開催され、さまざまな出店が立ち並びます。夜には花火が打ち上げられ、夏のオアシスパークを美しく彩ります。
夏の夜を彩る花火
秋には「すながわマラニック大会」が開催され、遊水池や石狩川河川敷の景色をたのしみながらゴールを目指す人たちで賑わいます。また、市内のお菓子屋さん自慢のスイーツを食べることができる「すながわスイートタイム」が催され、味覚の秋を楽しめます。
冬には北泉岳寺で行われる「北海道義士祭」や無災害を願う砂川市指定無形民俗文化財である「街頭もちつき」は冬の風物詩になっています。