夏は涼を求めて川や湖、海の行楽地は人、人、人。帰った後に残されるのは大量のゴミ。ペットボトルやビニール類がなんと多いことか。文明の便利さを享受するだけで、最後まで管理しない人間界の罪。風で飛ばされ水面に漂い、それらは川に流れて海に辿り着く。人の営みとはなんと最後まで見届けない、無責任な行為だろうか。
年月を経て粉々に粉砕されたものがマイクロプラスチック、地球規模で問題視され、国際ルールづくりが討議されている。
これが海洋生物に深刻な影響を与えているだ。鯨類や海鳥が誤食して窒息死する。人の体にも魚介類を通して取り込まれている。マイクロプラスチックが現代人の体内にも残留している。果たして地球の生態系に今後、どう影響して来るのか。
地上の生物は地球環境に害を加えることはしないが、知恵ある人類は悪影響を与え続ける存在らしい。間違いなく地球は人類によって滅ぼされる。
人類自らが生存できない環境に変えてしまう。絶滅危惧種は人間によって引き起こされてきたが、今、自らの手で人類自身が絶滅危惧種になろうとしているのだ。
下水処理場でも除去できない合成洗剤の成分は環境ホルモンとして生態系の生殖器官に大きく影響を与えるといわれる。沿岸部に生息する貝類は雌雄半々に存在し、繁殖するのが自然界の摂理だが、環境ホルモンの影響を受けるとどちらか一方に偏るといわれる。つまり、繁殖がうまくいかなくなる。つまり、生態系の狂いが生じてしまう。
農業に使う化学肥料も用水路から川に流れて、やがて海洋へ辿り着く。植物プランクトンの大量発生に関係していて、具体的には「赤潮」の大発生に関係しているといわれる。その結果、魚介類が酸欠で大量死してしまう事態にも。つまり、あらゆる汚染物質は海洋に辿り着くということ。文明の便利さでその恩恵に預かり、文明の利器の不始末で、地上の生命体は一様に生存には不都合な環境を被ってしまうということ。
水は川を辿って、最終的には海に注がれる。かけがえのない地球の「水環境」を守ることは極めて大事なこと。私たちにすぐできることはプラスチック類の徹底管理や家庭から出る排水を注意深く管理することだ。