「えぞ山わさび」って何?
「山わさび」は、北海道などの比較的寒いところの荒地などで栽培されている西洋わさびをいいます。それに対して「本わさび」は、日本原産で沢などの養分の少ないきれいな水が流れるところで栽培または自生しています。
高橋英樹さんは高橋農場の3代目。平成8年から「山わさび」を栽培し、「えぞ山わさび」と名付けて製品化しています。味も良く、収穫後に変色を防ぐための薬品処理などを行わないため、スーパーでの販売だけではなく、銀座の高級寿司店からの注文も来るそうです。
また、自身の名前を冠した英倶楽部(はなくらぶ)というブランドで、えぞ山わさびの醤油漬も加工品として生産しており、江別の野菜直売所で買うこともできます。
高橋 英樹さん
「山わさび」は売れると直感!
山わさびを栽培しようと思ったのは、20歳代の時、札幌狸小路の露店で山わさびを一本1000円で売っているのに遭遇し、その時に頭の片隅に、「山わさびは高値で売れるもの」という印象が残りました。
その後、農家を継いだ時、あるパーティの3次会でまた山わさびに遭遇。当時の記憶も蘇り、山わさびを作ろうと決心したそうです。
この地区は、昔は稲作が行われていましたが、今では畑作が主流。高橋さんの農場でも、山わさびの他に、かぼちゃ、とうもろこし、馬鈴薯、ニンジン、ブロッコリーなどを栽培しており、昨年から始めたブロッコリーは、山わさびと共に大きな収穫の柱に成長しています。
「昔はダイコンも栽培していました。しかし、山わさびの栽培を始めたところ、同じアブラナ科のため、輪作ができなくなってしまった。それで、重量野菜であるダイコンを止め、山わさびに変えました」と高橋さん。この決断が今の山わさび農家の地位を築いてくれました。
「山わさび」の栽培で冬の雇用も確保
「山わさび」は、春に植え付け、初冬に霜が降りてから、雪が積もるまでの間に収穫します。収穫したものを貯蔵し、泥を落としてから出荷しますが、冬から春にかけてもその作業を行うので、冬の雇用もしっかりと確保することができます。
これまでの冬の雇用の問題も解決してくれた「山わさび」。従業員の方々も21人おり、ローテーションで働いているそうです。
北の大地の恵みぜひ食卓に
「春が近づくと、小川や雪解けの湿地に自生している山わさびが芽吹きます。凍える冬を地面の下で耐えた、春一番の山わさびは最高のごちそうです。すりおろしたツーンとくる辛さと、後を引かない辛さ。その山わさびに醤油をたらし、炊き立てのご飯で食する。北海道の春を十二分に楽しめるはずです」と高橋さんは話してくれました。
加工品も大人気です
㈲高橋農場
江別市東野幌510番地
TEL: 011・384・6856