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特集記事

2018_09_23 | 2018年 9・10月号 特集 | , , | 編集部イーハトーブ

本当にクマに食べられるブランドスイカ
富良野市・㈱天間農産本舗「ヒグマのごちそう」

北海道のスイカ生産量は国内第8位

夏の果物の代表格・スイカ。日本で最も生産量が多いのは熊本県の約5万2千トンで、次いで千葉県の約4万トン、山形県の約3万4千トンがトップ3。北海道は1万4700トンで、国内第8位です(農水省・平成27年作物統計より)。
国産スイカには、かなりの数のブランドが存在します。たとえば熊本県の「植木」、千葉県の「富里」、山形県の「尾花沢」などが有名です。鳥取県の「大栄」は、ドバイ王室に献上されたことがある高品質スイカで、ドバイでは1玉3万円で販売されているそうです。
そして北海道では、当麻町の「でんすけ」、共和町の「らいでん」、月形町の「ゴジラのたまご」など、味の良さや形状だけでなくネーミングもユニークなものが多く、ネット販売でも引っ張りだこのブランドばかりです。

 

作付面積日本一、高品質で丁寧な栽培で評価

その中で、ひときわ話題を呼んでいるのが、富良野市のブランドスイカ「ヒグマのごちそう」。農業生産法人㈱天間農産本舗が生産しています。
平成20年にスタートした同社は、3年後に13ha作付したスイカが、現在では20haを超え、一法人としては作付面積日本一になりました。
場所は富良野市の中心部から15キロほど離れた山部地区。水はけの良い石まじりの土地に加えて、昼と夜の寒暖差が大きいため、稲作には不向きですが、糖度の高いスイカを栽培するには最適の条件が揃っています。
同社の天間幸博社長は、昭和40年代から同地でスイカ栽培を手がけ、基本に忠実かつ非常に丁寧な作り方が市場で高い評価を受け、法人化の基礎を築き上げました。
作付面積や収穫量だけではなく、品質の向上と維持にも努力を欠かさない方針で、肥料は窒素分を北海道の基準の半分しか使わず、農薬の使用もできる限り控えています。
また、食の安全や環境にも配慮していて、富良野でも最も早くからJGAPを取得しています。

 

収穫が始まった「ヒグマのごちそう」の広大な畑

 

スイカ好き熊本県民にも愛されるブランド

天間農産で生産されているブランドスイカは、露地ものでは大玉の「ヒグマのごちそう」と小玉の「ヒグマのおやつ」、ハウス栽培では「マドンナ」の3つ。一度聞いたら忘れられないインパクトのあるネーミングですが、山部地区では本当に山を下りてきたヒグマにスイカを食べられることがあって、今年も8月初旬に小玉スイカ「ヒグマのおやつ」が10玉ほど食い荒らされ、まさしく〝看板に偽り無し〟の美味しさを証明(?)することになりました。
収穫は、例年7月から9月まで続きます。スイカの収穫量第1位で、スイカ好きと目利きが圧倒的に多い熊本県でも、現地の生産が終わる8~9月に合わせて販売され、非常に高く評価されている人気ブランドです。

 

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