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– GAP認証農場を訪ねて Series21 –
江別レタス生産部、企業のGAP取得要請に応え大奮闘
JA道央江別レタス生産部
【イーハトーヴ × ゆめさぽ Collabo‐Campaign】

食の安全は食品に関わるあらゆる産業界に求められる必須条件。農業界でも農畜産物の安全基準ともいうべき「GAP認証」へ向けた動きは活発だ。今回の取材先は、GLOBALG・A・P認証を取得した「JA道央 江別レタス生産部大果グループ」。記者は「株式会社ゆめ・きた・さぽーと」の大滝昇社労士(ASIAGAP指導員)と廣田陸奥夫税理士(同)とともにJA道央の江別営農センターを訪ねた。
文/山田勝芳

野菜販売会社がGAP取得を強く要請

北海道の一大消費地・札幌市に隣接したJA道央は、恵庭市、江別市、北広島市、千歳市の広い地域を営農エリアとし、耕作面積は17000haと広大だ。大消費地圏という立地の良さを反映して、生産性の高い野菜や花きなどの生産に特色がある。とりわけレタスは道内でも指折りの産地となっているが、今回の取材先もJA道央の「江別レタス生産部」だ。
GAPの中でも審査する際のチェック項目が格段に多いのが「GLOBALG・A・P」。これに挑戦したのはJA道央の「江別レタス生産部」。夏場、江別産レタスは安定的に数量が生産される点が企業サイドから好評価されたもの。その企業とは「株式会社大果」。
企業サイドから〝認証取得〟の要請があり、「江別レタス生産部」(徳永大輔部長・12生産者で構成)のうち従来から「大果」と取引のあった3人のレタス生産者が挑戦することになった。これに徳永生産部長も参加し、計4名は一年以上時間をかけて取り組んだ。JA道央や普及センター、野菜ソムリエ の中橋賢一さん等から強力な後押しも受け、多忙の中勉強会を何度も開き、さらに模擬審査を身内同士でこなして準備万端整えてから本審査に臨んだ。
すべての項目で適合基準をクリアし、昨秋晴れてGLOBALG・A・Pの認証を取得した。実際の認証農場のレタスづくりはこの春からのスタートとなる。
GAP認証は流通業界や外食産業界が取引条件の一つとして位置づけられつつある。つまり、食の安全の飽くなき追求だ。その中でも最も厳格な基準を持つとされるGAPが「GLOBALG・A・P」。

 

GLOBALG.A.P.認証取得に取り組んだ4名のレタス生産者。
写真左から武田拓也さん、保倉秀則さん、有野翔太さん、徳永大輔さん。

 

経営の中身がよく見える従業員と意思疎通も良好

では取得してどんな点がプラスと実感したのか、聞いてみた。

毎日の資料作り(日報)はたいへんだったが、家族がフォローしてくれた。
従業員との毎日の打ち合わせを通して、会話が増えて業務がスムーズに流れるようになった。
資料整理が行き届いて「〇月×日の日報」といわれてもすぐ開示できた。
何よりも、事細かく記録する習慣が身に付くことで自分の経営がよく見えるようになった等々。
さあ、いよいよJA道央「江別レタス生産部」にとってGLOBALG・A・P元年だ。先進地たらんことを期待したい。

2023_05_22 | 2023年 5・6月号 GAP認証農場を訪ねて ゆめさぽ イーハトーブ 連載 | , ,