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特集記事

2019_07_24 | 2019年 7・8月号 巻頭記事 | | 編集部イーハトーブ

北海道が国内随一の主産地ながら 全国屈指のメーカーがない不思議

北海道は第一次産業の産出額は全国一。第二次産業の製造業も食品加工業が盛んだ。しかしながら、全国を席巻する食品メーカーがないのは不思議だ。例え話として『博多明太子』がよく引き合いに出されるがそれどころではない。小豆も全国一の生産量だが、あん菓子でも全国に知れた有名どころはない。

道内の食品会社は中小経営が多く、資金力も弱い。自力で這い上がるには冒険(危険)が多過ぎる。そこで官民挙げて応援する『全国ブランド化推進プロジェクト』を立ち上げてはどうか。官も民任せでは駄目、北海道方式の新・殖産興業へ舵を切る時だ。

先ごろ石屋製菓が『10億円ファンド』を発表した。これは菓子原料につながる食品会社や農業分野に最長12年のファンドを組む構想だ。石屋製菓の創業期は名もなき駄菓子製造だったが、二代目が洋菓子へ方向転換してから約半世紀、今や全国に知れ渡るほど成長を遂げた。『10億円ファンド』は石屋製菓の地域貢献と位置付ける。〝企業は地元とともにある〟なんと素晴らしい企業文化だろうか。
酪農(生乳生産)も全国シェア53%、なぜ全国を席巻する地元メーカーがないのか。食肉生産も北海道は断然優位だが、加工品は日ハム、伊藤ハム、プリマハムの独壇場だ。
米生産も全国二位、主食米は良質米として全国でも引き合いが多い。しかし、加工は本州資本の佐藤食品(岩見沢工場)が米飯のパック詰め食品と切り餅を製造している。酒造好適米も生産量は多い割りに、地酒としての地位が確立されない。地元の消費量も目立たないのはなぜか。じゃがいもを原料とした菓子類もカルビーと湖池屋の後塵を追う。
変革なしに、原料供給地に甘んじていては経済は浮上しない。地元企業を真剣に育てるときだ。

(山田)

2019_07_24 | 2019年 7・8月号 巻頭記事 |