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特集記事

2019_11_17 | 11・12月 2019年 特集 | | 編集部イーハトーブ

9月を迎え、「今金米」の収穫が始まりました!
【出来秋を迎えた今金町】

田植えの後にも大事な作業が残っています

9月21日(土)今金町を訪れました。春に田植え作業の取材で訪れたJA今金町稲作部会の会長吉本辰也さんの田んぼでも稲刈りが始まっていました。今年は例年より早く、4日から始めました。8割から9割ほども刈り込んでいて、数日後の台風の接近も見込んで後3日ほどで、約40ヘクタールの田んぼの刈り入れを終えます。
田植えは5月中に終えますが、その後、収穫時期まで何もしないということではありません。田んぼ周辺の草刈りや病害虫の発生予察に全神経を傾け、余分な農薬散布の回数を減らし、安全・安心な米作りに努力します。病害虫の発生予察は、農家自ら捕虫網を振り、田んぼを周回します。やませの時は水を張り、日が照れば水を落とします。
「生育ステージに合わせた毎日の草刈りや水の調整などの管理作業が大事になります。なかでも水の管理が重要でとても気を使います。天気に合わせて水を入れたリ抜いたりする絶妙の加減が、お米の品質、美味しさに影響します」と吉本さん。
丹精込めて育てても、台風や日照不足など悪天候により今までの努力が水泡に帰すのが自然を相手にする農業の厳しさです。それでも、今金米のブランドを守るため収穫までの3カ月間、地道な管理作業が必要なのです。

 

吉本 辰也 さん

 

直播米「えみまる」を試験栽培

人手不足、従事者の高齢化などの解決策として、無人トラクタやドローンなどスマート農業への関心が高まっていますが、直播米の普及もその解決策として期待されています。今年吉本さんの田んぼでは新品種「えみまる」の試験栽培が行われました。
育苗をせずに種籾を直接んぼにまく直播は、省力化に貢献できる栽培方法です。道内ではこれまでなかなか定着できなかったのですが、食味と耐冷性に優れた品種も開発され、今後は生産が拡大されることが期待されています。その期待される品種が今年から各地で試験栽培されている「えみまる」です。早く実る特性があり、道内の気候での直播栽培に適した新しい品種です。
「直播米はこれまで、冷凍ピラフなどの加工用向けに最適だった『大地の星』を栽培していました。『えみまる』はそれ以上の食味と聞いていますので、大いに期待しています」と吉本さん。

 

刈り取り作業

 

刈り取り後は検査、保管され、出荷されます

収穫した籾は、JAでの受け入れ時の自主検査から製品時の本検査を経て、厳格に仕分けされます。そして、ニーズに応じた細かな仕分けが可な保管倉庫「27号倉庫」に保管されます。ここには約3600の部屋があり、お米にストレスをかけないように個別の部屋で管理し、出荷を待ちます。吉本さんの田んぼでは、「ゆめぴりか」「ふっくりんこ」「大地の星」を栽培しています。7月にはやませの影響で低温になり、穂の数が少なく、多少影響を受けたようす
が、今年も美味しい今金米を消費者に届けることができますと約束してくれました。

 

27号倉庫

 

JA今金町

瀬棚郡今金町字今金141番地

TEL: 0137・82・0211

 

 

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