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特集記事

2019_09_21 | 2019年 9・10月号 イーハトーブ 特集 | , , , | 編集部イーハトーブ

北海道農業を応援したい
-ゆめさぽ活動報告-
イーハトーヴ × ゆめさぽ【Collabo‐Campaign】

「株式会社ゆめ・きた・さぽーと」の法人設立からまだ2年半なのだが、農業分野ではどうアシストができたのか、ここに報告する。

(文・山田勝芳)

GAP認証を取る様々なケースが興味深い

「ゆめさぽ」と本紙のコラボキャンペーンでこの半年間、GAP取得の現場を取材してきた。今後強力に展開にするためにも〝中間総括〟が必要と考え、GAP指導員でもある廣田陸奥夫さん、大滝昇さんに中間総括を語ってもらった。
税理士でもある廣田さんは当初、「GAP取得は付加価値をつけて高く売ることが目的」と考えていたが、実際の動機付けは様々あることに気づいたという。
具体的には『事業承継を受けた後継者が前代表者の手法と衝突しないで現場を変えていくのに、GAPは有効と考えた』『農高でのGAPの取り組みでは、その手法を学んだ生徒が帰省した実家で授業内容を報告すると父親が子どもの成長ぶりに触発されてこれまでの農業を見直すきっかけになった』『農協での取り組みでは、組合員がGAP圃場を担うことで、農場管理の底上げにつながった』など好事例をあげる。
「今後は認証を受けていない農家にGAP取得者を広げて行く上で勉強になった」と、GAP指導員としての抱負を語る。

 

写真上段の右から大滝昇さん、廣田陸奥夫さん、船島修さん、中澤さとみさん、本紙記者。
写真下段の右から平山甘奈さん、境毅さん(8月3日撮影)。

 

まずGAPをやろう取得はそのあと考えよう

もうひとりのGAP指導員の大滝昇さんからは社労士らしいユニークな発言が出た。安全管理・環境対策・労務管理は農業者みんなが普通に求められる条件だから、「まずみんながGAP基準でやってみる。さらに一歩進化したい生産者は認証取得を考えればいい」。
安全管理・環境対策・労務管理は企業社会ではクリアすべき当然の必須条件だ。農業者とて同じではないか、というのが大滝流の考え方だ。社労士らしいもっともな論理展開だ。
実際にある生産者のGAP認証の取得作業に携わっており、120超のチェックポイントのうち労務・安全に関わる30ポイントほどを担当した。その経験上の発言であり、真に迫ってくる。「これまで普通でないのが農業の常識みたいになっているけれど、企業社会と同じように普通にならないと、農業界も人材が集まらない」と厳しく指摘する。

 

婚活の実績をステップに農業青年を後押ししたい

「ゆめさぽ」は天塩町の独身青年と札幌の未婚女性との交流会をサポートしてもう5年経過した(法人設立以前を含む)。ゴールインできたカップルもいる。農業の持続性を考えたとき、配偶者がいることは必須条件だ。
しかし、実際のところ配偶者探しは多難を極める。特に札幌から遠隔な地域ほど女性たちの参加意欲は低くなる。しかし、「ゆめさぽ」の婚活スタッフは道北・天塩町で成功をしっかり収めている。
婚活を担当する船島修さんは「私たちの最大の強みはスタッフ全員が農業系との交流を積んだ、いわば農業の現場を知っていることが強みです。だから、一年かけた婚活事業にも真剣に取り組めます」と語る。「自分たちの経験も積み、スタッフも揃ったから、もう2、3町村は実施したい」とプランを語る。

記者と「ゆめさぽ」との出会いはまさに〝一期一会〞、実に頼もしい仲間たちだ。(「GAP認証農場を訪ねて」は今回お休みしました)

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