IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー

IHATOV|イーハトーヴWEB北海道|北海道のフリーペーパー
  • 紙面版を見る

特集記事

2019_09_23 | 2019年 9・10月号 特集 | , | 編集部イーハトーブ

【月形町】札沼線廃止を契機に
新たなまちづくりが始まります!

月形町長 上坂 隆一 氏

 

中心市街地で拠点施設の整備が行われます

2020年5月7日、JR札沼線の石狩当別駅~新十津川駅間が廃止されます。それに伴い、月形町では代替路線バスなどの運行のためのバスターミナルの整備と、同時に公共施設等の中心市街地への再整備も進め、今後一層進む人口減少と高齢化への対応も行うことになりました。
現在、候補地は市街地の3カ所が検討されています。特に、札沼線代替バスは秋頃に運輸局へ申請手続を行い、JR廃線日よりも早い、2020年4月1日から運行を開始する予定です。
拠点施設には、JR札沼線にかわる新規路線バス、既存の中央バス月形線・新篠津村営バス、町内新公共交通のための総合的な「バスターミナル」が整備されます。 この「バスターミナル」の整備に伴い築49年も経つ「図書館」、誰もが利用できる交流空間の「サロン」、「観光PR施設」、「商業スペース」、「共用ロビー」などの併設も視野にみんなが立ち寄り集う、地域の安心と賑わいの空間整備を進めるために「月形町地域拠点施設整備等審議会」を設置し、検討が始まりました。

 

廃止になるJR石狩月形駅

 

皆楽公園周辺施設も整備します

一方、皆楽公園は1984年に旧石狩川河川敷地を利用した「親水公園」としてオープンし、その後、温泉施設、宿泊施設を開業しました。現在ではその周辺エリアに、野球場、パークゴルフ場、体験農園、農産物加工施設などがあり、町の観光拠点となっています。しかし、温泉と宿泊施設は老朽化による維持管理費の増加、そして、現在のニーズに十分対応できる施設形態、仕様、運営体制が不十分な状況です。
こうした現状を踏まえ、皆楽公園の軸となる温泉と宿泊施設の改修、または建て替えも含めた公園全体のリニューアル計画を先に述べました町内外の方々で構成される「月形町地域拠点施設整備等審議会」で拠点施設の整備とともに検討をしていきます。

 

「日本遺産」「北海道遺産」をまちづくりに活かします

「炭鉄港」の取り組みが、5月20日、日本遺産に認定されました。「炭鉄港」とは、近代北海道を築く基となった三都(空知・小樽・室蘭)を石炭・鉄鋼・鉄道・港湾というテーマで結ぶ広域的な取り組みです。同町においては樺戸博物館のほか、樺戸道路の造成にあたった囚人労働の歴史や北海道開拓のストーリーが該当します。
また、北海道遺産は次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物としてNPO法人北海道遺産協議会により選定されるものです。昨年、北海道開拓を支えた近代化遺産として、樺戸集治監(月形)、釧路集治監(標茶)、空知集治監(三笠)、釧路監獄所網走外役所(網走)、北海道集治監十勝分監( 帯広)の集治監(国立刑務所)が認定されました。
両遺産の認定を契機に、同町への観光客も増え、今後のまちづくりに重要な役割をはたしていきます。

 

樺戸博物館をバックに喜ぶ職員のみなさん

 

共生のまち月形町

町長になって2年が経った上坂隆一町長。その原点は社会福祉にあります。
「私は町長になる前、町内にある社会福祉の施設で働いていました。その経験が私の原点になっています。最初は脳性マヒで障がいを負った人たちの施設で働きました。着替えや食事の手助けをさせてもらうと心から感謝してくれるのです。逆の立場だったらどうだろう、はたしてそこまで素直に感謝の言葉を言うことが私はできるのだろうか。この人たちと一緒に生きることにより、私も学ぶことがたくさんあると思いました。自分たちと違うからといって差別するのではなく、共生していく大切さを決して忘れてはいけないと思うのです」
今年も樺戸集治監の功績と囚徒たちの労苦に思いを馳せ、追悼式が執り行われます。どんな人たちに対しても差別をせず、共に生きていく。同町の開基から今日まで脈々と受け継がれている“共生”の心は、新しいまちづくりにもしっかりと反映されていきます。

 

樺戸集治監の追悼式で挨拶する上坂町長(昨年)

 

月形町役場総務課

北海道樺戸郡月形町1219番地

TEL: 0126・53・2321

2019_09_23 | 2019年 9・10月号 特集 | ,