今回はこれから播ける新しい葉物野菜を紹介します。3品目ともプランター栽培やベビーリーフ利用にも向いています
渡辺農事㈱ 安達 英人 さん
◆ルッコラ
ピリッと辛くてゴマの香りがするルッコラは、イタリア料理の広まりとともに知られるようになりました。別名に『エルーカ』、『ロケット』などありますが、同じもので、『ルッコラ・セルバチカ』は別種で辛みが強く黄色の花が咲きます。
菜園では15 cmくらいで収穫するのがよく、種まきから20~25日で収穫できます。30日を超えると白い花が咲くことがありますが、これも食べられます。プランターでも簡単に育てられますが、青虫などの害虫がつきやすいので、パスライトなどの不織布で覆って栽培します。高温や乾燥が続くと苦みや辛みが出るので注意します。
ホウレンソウの3倍のカルシウムを含みβカロテンやビタミンCも豊富です。
ルッコラ:白地に紫の模様が特徴的な花
鉢でも栽培できる
◆スイスチャード
『西洋フダンソウ』とも呼ばれ、カラフルな葉柄が特徴的で菜園で人気があります。ホウレンソウと同じように栽培しますが、大きい古い葉にはえぐみがあるので小株に仕立てるか若い葉だけを食べます。
株どりの場合は20 cm×5cmで、摘み取りの場合は50 cm×20 cmくらいに植えます。
スイスチャード:株間は5㌢くらいで
ホウレンソウよりも作りやすく、夏でもよく育ちます。9月に播くと、収穫まで30日くらいかかるので、不織布で保温するとよいでしょう。色が鮮やかなので、花壇の縁取りに観賞用に植えることもできます。
独特の青臭さがあるので、大きな葉は1~2分茹でてから水にさらしてから食べます。鉄分やカルシウムなどをホウレンソウよりも多く含むので夏野菜として重宝します。病害虫は少なく、アブラムシがつくことがあります。
種袋1袋に何色か入っている
◆ミブナ
ミズナの一種で、丸葉で辛しの香りのあるものが漬物用として栽培されるようになりました。『千枚漬け』の添え物として使われていて、関西ではミズナとともに『京菜』と呼ばれ、京野菜として親しまれています。
ミズナと同じように栽培できるので条間20 cmにすじまきして、混んでいるところを間引きます。大株にすると外葉が硬くなるので、ミズナのように小株で収穫します。ルッコラと同じように青虫などがつきやすいので、不織布で覆って栽培します。
エスニック風の豚肉との炒め物やナムルなどに向いています。栄養分はミズナと同等と思われ、鉄分は同等、カルシウムは豊富に含みます。
〈寄稿〉
左がミブナ、右がミズナ
これくらい(の姿)から間引き菜で利用できる
渡辺農事㈱北海道営業所
http//www.watanabenoji.com
E-mail: adachi@watanabenoji.com
FAX: 011・577・3231
2020_09_09 | 2020年 9・10月号 家庭菜園を楽しもう! 連載 | 育てる