渡辺農事㈱
安達 英人 さん
野菜作りの基礎知識
今回は「エディブルフラワー」について紹介します。
エディブルフラワーとは
『食べられる花』のことで、観賞用とは違い、野菜と同じ様に、安心して食べるために作られた花です。
近年、百貨店、スーパーマーケットやレストランでも見かけるようになりましたが、まだまだご存知ない方が多いようです。
主に料理の彩や香り付けに使われますが、ビタミン豊富でゼリーやケーキなどデザートにも使われています。エディブルフラワーは食べる事を目的として栽培されているため、無農薬や低農薬栽培する事が多く、化学肥料を使用しないこともあります。
一般に流通している花は観賞用として育てられているため、農薬の制限はなく、食用には向いていません。また、花の中には有害な花もあるので、みだりに食べる事はやめましょう。
有害な花にはオダマキ、キキョウ、アネモネ、スイセン、ヒガンバナ、クレマチス、アジサイ、シャクナゲなどがあります。
スイーツ
サラダ
◆種類
エディブルフラワーとしてはよく知られた30種類くらいが流通しています。
春〜夏
デージー、ベゴニア、ペチュニア、バーベナ、インパチェンス、ニチニチソウ、ヒャクニチソウ、マリーゴールド、ミニひまわり、ラベンダー、イソトマ、トレニア、アサガオ、サルビア、など。
夏〜秋
パンジー、ビオラ、アリッサム、キンギョソウ、ナデシコ、プリムラポリアンサス、プリムラジュリアン、サイネリア、など。(開花時期は地域で異なります)
ナスタチウム
◆味
種類によって異なりますが、甘みがあったり、苦みがあったり特徴がありますが、淡白なあっさりした味のものが多いようです。料理の味を邪魔するような強い味のものはありません。
ナスタチウムにはピリッとした辛みがあります。キンギョソウは花色が豊富で淡白な味わいです。
マリーゴールドは黄色や朱色の花で、一枚ずつ取り外して食べます。食用菊に似た味です。
栄養価も高く、βカロテンはナスタチウムではカイワレ大根や野沢菜と同じくらい含んでいます。花を食べて、ガクや茎は食べません。
野菜と同じく傷みやすいので、保存期間は3、4日です。濡らしたキッチンペーパーで包んでラップして、野菜室で冷蔵庫保管します。重ならないように注意が必要です。
◆栽培
お庭で栽培することもできます。地植えよりはプランター植のほうが管理が容易です。プランターに種まきをして不織布でトンネルをかけておきます。食用にするので農薬は使用しませんので、アブラムシやハモグリバエなどの害虫が寄らないようにしておきます。
花壇用の花苗には農薬が使用されていますので注意します。(咲いている花には農薬が付いていることがあります。)
実は日本には昔からエディブルフラワーがあります。主に花を食べる『なばな』や『わさび』などで、あしらいとしては『食用ぎく』『しその花穂』『花きゅうり』など、和食にもなじみのあるものです。
パンジー
渡辺農事㈱北海道営業所
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2020_03_12 | 2020年 3・4月号 家庭菜園を楽しもう! 連載 | 育てる