この新聞(写真)は2004年11・12月号の本紙で、まだモノクロ印刷だったころの新聞だ(創刊4年目)。書いたのは紛れもなく17年前の筆者自身だが妙に懐かしい。記事のタイトルは『花屋さんの花々にも生産履歴があればいい』、今日でも十分通用する内容だ。
2004年11・12月号のイーハトーヴ
記事は決して難しいことを言っているわけではなく、ただ単に「食べ物に地産地消があるように、花にも産地表示があれば地元産を選択できる」という内容。その当時は、食の世界でも地産地消ということばすらあまり使われずの時代。ましてや花屋で見かけるどんな花にも〝産地表示〟はまず皆無だった。
食の世界同様、花の世界にも輸入ものが入り込んでいたのだが、表示など一切なくて消費者は判別できなかった。それは現在でも変わらない。園芸店で買う花のタネや菜園のタネを買うとき、原産国表示があるように、花屋さんの輸入花にも原産国表示があれば一層素晴らしいのに、と思う。
昨年制定の道条例で「8・7 花の日」と決められた。コロナで業務用の需要が激減、産地では出荷できずに廃棄処分するところもあったといわれている。そこで考えられたのが「花の日」だ。道民の生活に取り入れる形で、花を買い支えようと制定された。
ただ、8月7日の年1回ではつまらない。例えば「毎月7日と8日」花の日にしてみてはどうか。毎月2回、花屋さんに通うようになると、習慣づくというもの。リビングに花瓶に生けた花の風景が日常的にあると、素晴らしい。一輪百円台でいろいろな切り花が買える。野に咲く花だって持ち帰って飾るのもいいものだ。
コロナで外出を控える社会現象をいわゆる〝巣ごもり〟という。きっと〝今年の流行語大賞〟に選ばれるかも。家の中で家族と一緒に過ごすためのゲームなどのグッツが売れたという。癒しのための切り花も、女性たちによく買われていったという。そこに目をつけて産地が分かれば〝もっと楽しくなる〟と花の日が制定された。
切り花を飾る習慣を定着させるためにも「年一回」ではなく「月2回」の頻度がいい。近所の花屋さんのほか、道の駅にも近隣産の花が売られていますよ。種類が多いほど、そこは花の名産地ですよ。
地元にはどこが産地か。どんな花か生産されているか。季節の移ろいでどう花の種類が変わるか。北海道の冬でもハウスで栽培されている花はあるのか。スチュエーションを変えて花屋さんの中を観察したらもっと楽しくなるかも。花でマチのイメージづけをした自治体もたくさんある。