北海道内の各市町村の森林組合によって構成される北海道森林組合連合会(以後、道森連)は、環境の保全に重要な役割を果たしている森林を次代へとつなぐべく、農林水産業の協同組織を基盤とする金融機関・農林中央金庫とともに、森林の大切さを伝えるさまざまな取り組みを続けています。コロナ禍が2年目となる今年も、弛まなく行われている意欲的な活動について紹介します。
木のおもちゃで木育支援
道森連では、持続可能な森づくりの重要性を、より多くの道民の皆さんに理解してもらうため、森林組合や市町村などが取り組む地域森林環境教育などの活動を支援しています。また、農林中央金庫は、この活動に賛同の上、木の温もりや森林の大切さを伝える取組みを通じ、国産材利用拡大を目指す活動を実施しています。
その一環として毎年行われているのが、市町村が設置した認定こども園への「木のおもちゃ」寄贈です。乳幼児のころから「木にふれあう」機会をつくり、「木」に対する豊かな感性と心を養い、想像力を高めるための「木育」の場づくりを支援すべく、2015年度から実施しています。
遠別町と古平町に寄贈
今年2月18日、遠別町役場に関係各位が集い、認定こども園「幼児センターきらり」への「木のおもちゃ贈呈式」が開催されました。
式典では、道森連の佐藤正成理事が、「本日贈らせていただきました『木のおもちゃ』を通じて、木の持つ『温かいぬくもり』や『木の香り』がもたらす『やすらぎ』を子供たちに感じ取ってもらい、健やかに成長されますことをご祈念申し上げます」と挨拶しました。
続いて農林中央金庫札幌支店の中村剛崇北海道営業部長は、「遊んでいただく園児の皆様には、木とふれあって、ぬくもりを感じてもらうことで、豊かな感性と心を育んでいっていただきたい」と挨拶しました。
道森連・佐藤正成理事(右から3番目)、遠別町・笹川洸志町長(右から4番目)、農林中央金庫札幌支店・中村剛崇北海道営業部長(左端)
2月22日には、古平町の認定こども園「ふるびら幼児センターみらい」に、「木のおもちゃ」が贈呈されました。
同町では新型コロナウィルス感染拡大防止のため贈呈式は行わず、「木のおもちゃ」を直接届けた道森連の指導課職員に、同センターの設備充実への貢献に対して感謝状が手渡されました。
両町に贈呈されたのは、すべて道内で育ったカラマツやトドマツ、ナラなどの広葉樹で作られた木製の人形やトレーラーなどが入ったおもちゃ箱、乗って遊べるスウィングドッグ、カラマツ積み木・からっくなど。
「ふるびら幼児センターみらい」では、さっそく園児たちが大喜びで木のおもちゃを取り出し、木の手触りを楽しみながら思い思いの遊びに興じていました。
木のおもちゃで遊ぶ「ふるびら幼児センターみらい」の子供たち
火災予防と緑化活動でポスターと標語を募集
道は、貴重な森林を守るため、小学生から林野火災予防をテーマに標語・ポスター原画を募集し、子供たちに森林の重要性を認識してもらい、その作品を活用しています。
令和2年度は標語617点、ポスター原画354点の応募があり、標語の最優秀賞には稚内市立稚内南小5年・金子凜桜さんの「山火事を 防ぐ行動 君次第」、ポスター原画の最優秀賞には標津町立川北小5年・大垣結愛さんの作品が選ばれ、賞状と副賞の図書カードのほか、応募者全員に道森連提供のクリアファイルが贈られました。
道内の小中学校、高等学校の児童・生徒を対象に、森林や緑に関するポスター原画、標語を募集し顕彰することで、ふるさとの森林や緑の大切さ、緑化活動への参加などの啓発を目的とした「緑化活動啓発作品」コンクールも(公社)北海道森と緑の会の主催で毎年行われています。
緑化活動啓発作品コンクールで道森連会長賞、優秀賞を受賞した千歳市立東千歳中学校1年・佐々木聖愛さん
令和2年度はポスターが21校297作品の応募。最優秀賞は小学生の部 むかわ町立宮戸小6年・磯部田さん「大きな木」、中学校の部 浜中町立茶内中3年・伊藤七珠さん「はじまり」、高等学校の部 北海道富良野緑峰高2年・伊藤愛梨さん「作り上げる自然」が選ばれました。
標語の部には全道から6校351作品の応募があり、最優秀賞には、士別市立朝日中学校3年・藤吉姫楽さんの「育てよう 優しいその手で 未来の木」が選ばれました。
どちらのコンクールにも、賞状を入れる道産ナラ材の額縁が、道森連から提供されています。
受賞作「家族の木」
●北海道森林組合連合会
札幌市中央区北2条西19丁目1番地9
TEL: 011・621・4293
●農林中央金庫札幌支店
札幌市中央区大通西3丁目7番地北洋大通センター14階
TEL: 011・241・4211