森林を次代へつなぐ活動を
北海道の森林整備を担う全道78森林組合を統括する北海道森林組合連合会(道森連)では、環境保全に重要な役割を果たす森林を次代へとつなぐため、森林組合や市町村が取り組む地域森林環境教育などの活動を支援しています。一方、農林水産業の協同組織が基盤の金融機関である農林中央金庫は、道森連の活動に賛同し、木の温もりや森林の大切さを伝える取り組みを通じ、国産材利用拡大を目指す活動を実施しています。
認定こども園へ「木のおもちゃ」を寄贈
その活動の一環として3月には、「認定こども園『わくわく園』(訓子府町)」と「川北認定こども園『にじいろ』(標津町)」の2カ所に道産材で作られた「木のおもちゃ」を寄贈しました。
この「木のおもちゃ」の寄贈は、乳幼児期から木とふれあう機会を創出し、木に対する豊かな感性と心を養い、想像力を高める木育の場づくりを支援するため、2015年から実施し、今年で7年目の取り組みです。
訓子府町へ寄贈(中央)菊池町長
標津町へ寄贈(中央)山口町長
例年であれば、認定こども園または市町村役場で寄贈式を執り行っていますが、コロナ禍における「まん延防止等重点措置」の実施期間のため寄贈式は中止となり、寄贈者を代表して道森連の理事が「木のおもちゃ」を届けました。
「木のおもちゃ」は、小さな子どもでも振ったり、動かしたりして遊ぶことができるおもちゃを詰め合わせたセットです。おもちゃ自体は道産の広葉樹と針葉樹で作られ、おもちゃ箱は道産のカラマツ・トドマツの集成材で作られています。
木のおもちゃで遊ぶ園児(訓子府町)
木のおもちゃで遊ぶ園児(標津町)
第72回北海道植樹祭を苫東・和みの森︵苫小牧市︶で開催
また、5月28日(土)には、「北海道・木育(もくいく)フェスタ2022」の一環として、北海道植樹祭が苫小牧市にある苫東・和みの森で開催されました。
木を育て、守る大切さを知ってもらう目的で、道・林野庁北海道森林管理局・苫小牧市・公益社団法人北海道森と緑の会が主催する植樹祭で今回72回目を数えます。
式典冒頭に鈴木直道知事は、「道は2050年までにゼロカーボン北海道を目標にしています。そのためCO2を吸収する森林はとても大事で、守り、次世代へとつなげていかなければなりません。植樹を通じて、森林の大切さを感じてほしい」と挨拶しました。そして、式典の最後には、子どもたち6名が木を植え、森を大切にする「緑の宣言」が行われ、その後、参加者たちによって、アカエゾマツ、ミズナラ、ハルニレ、ナナカマドの苗木380本が植樹されました。
北海道では、2018年に全国の都道府県に先駆けて植樹の日(5月第2土曜日)・育樹の日(10月第3土曜日)を制定、あわせて5月を植樹月間、10月を育樹月間と決め、植樹及び育樹活動への参加を呼び掛けています。
あいさつをする鈴木知事
北海道植樹祭に参加した(左)農林中金 加藤弘節札幌支店長(右)道森連有末道弘会長
3年ぶりの開催となる「お魚殖やす植樹運動」
また、6月1日(水)には、3年ぶりに道民の森(当別町)で、「お魚殖やす植樹運動」を開催しました。
これは北海道漁協女性部連絡協議会などの漁業関係の団体が中心となり、森を守ることにより、海が守られ、魚を殖やすことができるという考えのもと、「百年かけて百年前の自然の浜を」を合言葉にした植樹行事です。
主催する北海道漁業協同組合連合会(ぎょれん)の菊池元宏副会長は、「女性部が植樹を始めてからもう34年が経っています。今でいうSDGsを先取りした素晴らしい運動です。このような社会貢献活動を通じて、これを評価してくれる消費者を増やしていきたい」と挨拶。
今回約70名の人が参加。ミズナラ、イタヤカエデ、ハルニレ、カツラ、エゾヤマザクラ、ヤマモミジの計500本を植樹しました。
これまではコロナ禍でほとんどの活動を休止していましたが、収束が近づくにつれ、このような植樹行事が各地で積極的に行われていきます。
3 年ぶりの開催となった「お魚殖やす植樹運動」
●北海道森林組合連合会(道森連)
札幌市中央区北2条西19丁目1番地9
TEL: 011・621・4293
●農林中央金庫札幌支店
札幌市中央区大通西3丁目7番地北洋大通センター14階
TEL: 011・241・4211