本コーナーの初回に登場いただいたチーズの店コンテ・工藤典子社長との会話で、強く印象に残る経営者の話題になった時、「自由な翼をもって羽ばたく天女のような存在」と紹介いただいたのが今回登場される海野一葉社長。6次産業化のモデルケースとして高い評価を受ける企業グループの社長に30歳代で就任し、颯爽と活動されている背景に迫るため取材しました。
ファームデザインズの第一歩は、1987年に海野泰彦氏(会長)が夫婦で浜中町に移住したことから始まります。一葉社長が長女として産まれたのも同じ頃。夫婦は帯広畜産大学出身で、当初から現在に至るまで一貫して「カッコイイ牧場」を目指しています。そのプロセスで、居心地が良くてカッコイイ空間のカフェレストランを開業し、美味しくてデザイン性に優れたスイーツの製造・販売に繋がっていきます。
牧場経営は会長を中心に担い、カフェレストランとスイーツ製造販売は、一葉社長が担当しています。
結婚・引っ越し・出産
今回の取材は宮城県で行いました。何故、店舗のない宮城で?
一葉社長が結婚したのは2021年4月のこと。夫の健児さんが南三陸町にレストランバーを開業したばかりの頃でした。
そして、結婚、出産を経て、現在は宮城県が生活の拠点です。取材した8月はトマム新店舗の開店を控えていましたが、その現場を仕切っていたのは、会長と健児さんでした。
宮城県で生活しながら北海道の店舗の経営が出来てしまう、普通では難題かもしれません。でも、ここに至る流れを振り帰ると、腑に落ちてきます。
左から、海野一葉社長、長男の楓くん、夫の海野健児さん
オモシロイことを追い求める
一葉社長は、自社製造のスイーツを持って日本全国どこへでも、北海道物産展等の催事で精力的に売り歩いてきました。その一環として復興イベントで仲間の出店を手伝い、偶然出会ったのが健児さん。自由な翼を持っていなければ、そして面白いことを追求していなければ、出会えなかったかもしれません。
ファームデザインズは海外展開していることもあり、国内外バラバラの場所から役員全員がオンラインで集まることが当たり前でした。また、コロナの思わぬ副産物として、各店の店長会議もオンラインで開催できるようになったと聞きます。
ワクワクする方向にだけ向かう
こうして主要メンバーの生活拠点が国内に分散していても、何の抵抗もなく打合せを重ねて事業を滞りなく遂行している様子を拝見すると、全く新しい時代の農業像かもしれません。
改めて、なぜこのスタイルで運営できているのか質問しました。すると、「ワクワクする方向にだけ向かっているから」という言葉を頂きました。
カッコイイを目指すことはワクワクすることで、役職員の生活も、事業も、どこを切り取ってもカッコイイ。こんな農業家族は全国でも類を見ないかもしれません。軽やかでしなやかに自分らしく生きる姿が、カフェレストランの利用者にも伝わってくるはずです。
さらに、「カッコイイ牧場」はファーム星野で体現していると聞きます。是非足を運び、全身で感じて欲しいです。
(境)
●ファームデザインズ
■浜中町本店
浜中町熊牛基線109
TEL: 0153・64・2310
営業時間: 10:00〜15:00
■星野リゾートトマム店
占冠村字中トマム 星野リゾートトマム内
◇ミセスファームデザインズ(ホタルストリート内)
営業時間: 11:00〜21:00
◇ファームデザインズ(GAOファームエリア内)
営業時間10:00〜17:00
■帯広畜産大学店
帯広市稲田町西2線11
帯広畜産大学かしわプラザ内
営業時間: 10:00〜17:00
*曜日、季節で時間変動有