道森連と農林中金の取り組み
北海道の森林整備を担う全道78森林組合を統括する北海道森林組合連合会(道森連)では、環境保全に重要な役割を果たす森林を次代へとつなぐため、森林組合や市町村が取り組む地域森林環境教育などの活動を支援しています。一方、農林水産業の協同組織が基盤の金融機関である農林中央金庫は、道森連の活動に賛同し、木の温もりや森林の大切さを伝える取り組みを通じ、国産材利用拡大を目指す活動を実施しています。
第73回北海道植樹祭を厚真町字幌内で開催
5月28日(日)、「北海道・木育(もくいく)フェスタ2023」の一環として、北海道植樹祭が開催されました。
木を育て、守る大切さを知ってもらう目的で、北海道・林野庁北海道森林管理局・厚真町・(公社)北海道森と緑の会が主催する植樹祭で今回73回目を迎えます。
厚真町で開催された第 73 回北海道植樹祭
北海道では、2018年に全国の都道府県に先駆けて植樹の日(5月第2土曜日)・育樹の日(10月第3土曜日)を制定、あわせて5月を植樹月間、10月を育樹月間と決め、植樹及び育樹活動への参加を呼び掛けています。
今回の開催地である厚真町字幌内は、5年前の北海道胆振東部地震で甚大な被害を受けた場所です。会場に向かう車窓からは、山の斜面をコンクリートで固めた工事の後が散見され、改めて被害の大きさを実感せずにはいられません。だからこそこの場所で、復興への象徴としての北海道植樹祭を行う意義もあるのです。
式典冒頭で鈴木直道知事は、「厚真町で開催できることに感謝します。多くの命が失われた北海道胆振東部地震から5年が経ちました。亡くなられた方々には哀悼の意を、そして被害にあわれた方々にはお見舞を申し上げます。道では毎年5月に植樹祭を行い、森林づくりに取り組んでいます。
本日は森林の再生と地域の復興への願いを込めて植樹したいと思います」と挨拶。式典の最後には、子どもたちが木を植え、森を大切にする「緑の宣言」を行い、その後、参加者たちによって、ケヤマハンノキ、カラマツ、エゾヤマザクラ、アカエゾマツ、シラカバ、ヤチダモの苗木1000本を植樹しました。
ブースでは来場者に木育体験などを実施
一方、会場内の木育ひろばでは、一般来場者に向けて緑の募金コーナーや木育ワークショップ、木製遊具展示、森林再生の取り組みのパネル展示などを行いました。
道森連・農林中金札幌支店のブースでは、MYスプーン、MYフォークを製作する木工体験を行いました。柄には被災した地元むかわ町産の枝を使用、その枝は地元苫小牧広域森林組合からの提供で、ミズナラ、イタヤカエデ、ダケカンバ、エゾヤマザクラの4種類です。スプーン・フォーク作りには54名が参加しました。
フォーク・スプーンづくり
また、ブース内には「きぼうのプール」も設置。「きぼうのプール」とは、道産トドマツとカラマツを直径2㎝、長さ10㎝の円柱に加工した「木の棒」を、カラマツでできた木枠の中に入れたものです。この「木の棒」を柄にして、スプーンやフォークを作った参加者もいました。
その他に、森づくり活動をPRするスライドショーを上映し、道森連・農林中金のPRパンフレットを配布しました。
一方、来場者には「緑の募金」者を対象に、森のかんさつ手帳・クリアファイル・農林中金作成の木育テキスト「木材について知ろう・学ぼう」・道森連作成の森林組合系統紹介リーフレットをプレゼントしました。
きぼうのプール
「お魚殖やす植樹運動」も開催
また、5月30日(火)には、昨年から引き続き道民の森(当別町)で、「お魚殖やす植樹運動」も開催されました。
これは北海道漁協女性部連絡協議会などの漁業関係の団体が中心となり、森を守ることにより、海が守られ、魚を殖やすことができるという考えのもと、「百年かけて百年前の自然の浜を」を合言葉にした植樹行事です。道森連と農林中金は協賛団体として参加しています。
主催する北海道漁業協同組合連合会(ぎょれん)の菊池元宏副会長は、「この植樹は昭和60年から始まり、今年で35年を迎えました。植えた木は12
5万本にもなります。これまでの関係各位の協力に感謝するとともに、これからも長く続けて行きたいと思います」と挨拶。
今回も約70名の人が参加し、ミズナラ400本、ニレ100本を植樹しました。
昨年に引き続き開催された「お魚殖やす植樹運動」
●北海道森林組合連合会(道森連)
札幌市中央区北2条西19丁目1番地9
TEL:011・621・4293
●農林中央金庫札幌支店
札幌市中央区大通西3丁目7番地北洋大通センター14階
TEL:011・241・4211