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特集記事

2023_07_20 | 2023年 7・8月号 特集 | , , | 編集部イーハトーブ

恒例《イーハトーヴ紙上》 エドウィン・ダン100頭めん羊まつり
マツオが学校給食にジンギスカン提供

北海道農業の歴史を振り返るとき、忘れてはならない最大の功労者が米国人エドウィン・ダンの存在です。本紙では、例年、彼が100頭のめん羊を連れて来日した1873年7月9日を「紙上めん羊まつり」として特集しています。
ダンは、開拓史が招聘した畜産農業家で、100頭のめん羊を連れて横浜港に上陸し、1876(明治9)年に札幌に入り、現在の南区真駒内で道内初の本格的なめん羊畜産を開始しました。   大正時代の第1次世界大戦時、軍服の素材として羊毛を国内自給するため、道内の滝川や札幌などに種羊場が開設され、羊毛と共に羊肉の活用法も研究した結果、現在のジンギスカンの原型が出来上がったといわれています。

そして高度経済成長期の昭和31年、㈱マツオの前身である松尾羊肉専門店がジンギスカン専門店として会社を立ち上げ、大々的に売り出したことで、「松尾ジンギスカン」が味付けジンギスカンの代名詞となりました。
松尾ジンギスカンが生まれたもう一つの理由は、種羊場があった滝川が、秘伝のタレに欠かせない新鮮なリンゴやタマネギの名産地だったことです。㈱マツオでは、松尾ジンギスカンを生み育んできた地元・中空知への感謝の気持ちと、次代を担う子どもたちに松尾ジンギスカンを食べてもらいたいという想いを込めて、学校給食への食材提供を開始しました。

 

滝川市立東小学校の給食風景(写真提供・㈱マツオ)

 

2015年7月、地元・滝川市内の小中学校生徒2899人にラム肉205㎏を提供することからスタートしたこの事業は、コロナウィルス流行の影響で休止した2020年を除き、毎年実施され、2022年度には中空知5市5町(滝川市、赤平市、砂川市、芦別市、歌志内市、新十津川町、雨竜町、奈井江町、上砂川町、浦臼町)の小中学校の生徒・計6024人に、総量で1㌧を超える松尾ジンギスカン味付特上ラム肉を提供しました。
また、給食時間には、㈱マツオが製作したDVD映像が放送され、北海道でめん羊が飼育されるようになった経緯やジンギスカンの誕生、ジンギスカンとともに歩んだ同社の歴史などが紹介され、より一層、自分たちが暮らす地域に対する興味や、そこで生まれ、北海道遺産にも選ばれた道民のソウルフード・ジンギスカンに対する理解を深めています。
㈱マツオの学校給食へのジンギスカン提供は、食育として今後も継続して行われ、今年も7月に新十津川町を皮切りに、順次5市5町で実施される予定です。

 

松尾ジンギスカン給食(写真提供・㈱マツオ)

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