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特集記事

2020_01_15 | 1・2月号 2020年 トップに聞く | , | 編集部イーハトーブ

トップに聞く 【JA当麻】
生産者、行政、JAの密な連携が当麻農業の躍進を支えます

エリアである当麻町は、北海道のほぼ中央、さらに上川盆地の中央部に位置します。盆地特有の気候により寒暖の差が大きく、農産物の育成と食味には好条件となっています。稲作をメインに、きゅうり、トマトなどの野菜類、でんすけすいか、あづまメロンの果実、大雪の花をブランド名とした輪菊・カーネーション・バラなどの作付けが盛んです。

「きたくりん」の販売強化を目指す

稲作のメインとなる品種は「きたくりん」です。きたくりんは、稲の病気に強く、農薬を節減しながらも安定的な生産が期待できる品種です。「ふっくりんこ」を父にもち、耐病性だけではなく、粘りややわらかさなどの食感にも優れています。
「きたくりんの道内の作付面積は2%ほどです。他の地域ではほとんど作っていないため、差別化ができます。また、価格交渉にもさらされないため、生産者の所得も安定します」と福井幸司組合長。
同JAでは、ゆめぴりか、ななつぼしの作付面積を上回り、収穫直後の籾の状態のまま低温貯蔵し、出荷直前に精米する「今摺米(いまずりまい)」としてブランド化しています。
平成29年には、きたくりんの販売強化のため、新しい精米工場を稼働。同30年には、全国の単位農協では初めて「精米HACCP」認定を取得しました。高品質・良食味で高歩留りの製品作りと衛生管理を徹底した先駆けともいえる精米工場です。

 

福井幸司組合長(中央)と幹部のみなさん

 

 

今摺米

 

ブランド力を誇る「でんすけすいか」

一方、同JAでお米との両輪をなすのが「でんすけすいか」です。昨年6月の初競りでは1玉75万円の値段がつき、過去最高額を更新しました。
稲作の他に、生産者の所得を安定させるために複合経営を推奨し始めたのが、昭和53年頃からでした。この時期にきゅうり、トマト、メロンの他に、でんすけすいかの栽培も始まりました。
平成17年には、日本農業賞の大賞を受賞したでんすけすいか。黒い見た目とその大きさ。そして、シャリシャリした歯ごたえのある食感とみずみずしい甘い果実が他のすいかと差別化を図ります。

 

でんすけすいか

 

生産者、行政、JAとでワンチームを

「生産者ファースト」
福井幸司組合長の取材時に何度もお聞きしたフレーズです。この言葉には、JAの原点は生産基盤を守ること。だから生産者を一番大事にしなければならないという思いがこめられています。JAが何かをするのではなく、生産者が何を求めているのか。何に困っているのか。それを支援していくのがJA本来の在り方だと言います。だから、面倒な育苗作業もJAが行います。生産者はそれを植えて、収穫するだけ。このことにより、営農のハードルが低くなり、毎年多数の新規就農者を迎えています。
また、行政とも密な連携を行っています。
「菊川健一当麻町長は、農業や林業に手厚い支援を行っています。農業と林業関係の事務所を一緒にしたのも、全国で初の試みでした。町長と組合長がここまで仲良くやっているところはあまりないかもしれませんね」と福井組合長。
生産者と行政とJAが、それこそワンチームになって、当麻農業の躍進を支えています。

 

菊川健一町長

 

JA当麻

北海道上川郡当麻町4条東3丁目4 -63

TEL: 0166・84・2121

 

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