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特集記事

2021_03_19 | 2021年 3・4月号 わがマチ自慢 連載 | , , , , | 編集部イーハトーブ

【わがマチ自慢】今回は沼田町

わがマチの1次産業や観光の魅力をお伝えします。今回は「輝け雪のまち」をキャッチフレーズに、雪エネルギー利用日本一を目指す沼田町です。横山茂町長にお聞きしました。

 

DATA

【人口】2,968人(R2年12月末現在)
【世帯】1,466世帯(同上)

沼田町役場
〒078-2202 北海道雨竜郡沼田町南1条3丁目6番53号
TEL: (0164)35-2111

沼田町長 横山 茂 氏

 

 

雪エネルギー利用の先駆けになった「雪中米」は大人気ですね!

「雪中米」は、平成8年から始めました。お米の貯蔵に雪エネルギーを利用し、さらに籾のまま貯蔵するので新米の味と香りを楽しむことができるブランド米です。
当時お米を貯蔵するのに雪を活用するのは、国内で初めて、否、世界で初めての事でした。一方、お米の貯蔵は玄米が一般的なのですが、わがマチでは籾のまま貯蔵しています。そのことにより劣化を抑えることができ、新米の味をいつまでも提供することができています。
その核となるのが、「スノークールライスファクトリー」という世界で初めて米の貯蔵に雪冷房を活用した施設で、2500トンの籾を1500トンの雪の冷熱により、低温貯蔵することができます。
一方、使用する雪は、「沼田式雪山センター」にて保管します。ここは冬は雪捨て場、夏は雪利用施設のための冷熱エネルギー供給基地として利用されます。雪山をバーク材で覆うことにより、夏まで大量の雪を保存することができ、その雪はエネルギー利用だけではなく、雪に親しむイベントなどにも利用されます。

 

雪中米

 

沼田式雪山センター

 

加工用トマト生産量日本一を目指していますね。現状を教えてください。

昔、一村一品運動というものがありました。農家さんの所得向上や地域振興という観点から、特産品づくりが日本全国で行われました。その時にわがマチで推奨されたのが加工用トマトの栽培でした。昭和57年には町営の加工工場も操業を始めています。
トマト農家は今30戸で、昨年は314トン生産しています。主な品種は「なつのしゅん」で、ずっしり肉厚でゼリー状の部分が少ない加工向けの品種です。水っぽい生食用のトマトとはひと味違う、とろりと濃厚な味わいが楽しめます。それをひとつひとつ手摘みで収穫・出荷し、その日のうちにジュースやケチャップなどに加工しています。
一方、平成25年には名古屋にある調味料メーカー「コーミ株式会社」と業務連携協定を結び、いろいろな製造ノウハウや販路開発などの協力体制を築いています。

昔はたくさん収穫してもすべてさばけない時期もありましたが、コーミさんとの提携により、100%買い取っていただける。そういう流れが確立したので、トマト農家の規模拡大や新規就農者も増やし、加工用トマトの生産量で日本一を目指したいと思っています。

 

トマトジュース

 

トマトケチャップ

 

雪中米やトマト以外にはどのような農産物があるのですか?

雪の冷熱エネルギーを利用したものとして、雪中米の他に、シイタケやイチゴを栽培しています。
平成19年に法務省とわがマチが共同して、沼田町就業支援センターというものを立ち上げました。少年院を卒業する子どもたちを社会復帰させようという施設です。1年間この施設で生活し、マチが設置した就農支援実習農場で農業のノウハウを学び、その過程で、シイタケやイチゴの栽培なども学ぶことになります。
特に、シイタケは夜間に雪の冷熱エネルギーを活用して栽培し、「雪中椎茸」というブランド名で販売しています。イチゴは真夏の暑い時期の収穫は難しく、そこで真夏に雪の冷熱エネルギーを利用し、収穫をしています。
今後はこの雪の冷熱エネルギーをさらに活用し、長期食糧備蓄基地構想や災害時などに食糧を提供できる環境づくりを進めていきたいと思っています。

 

観光資源を教えてください。

わがマチには人を呼び込む観光資源がたくさんあります。観光といえばやはり、「夜高あんどん祭り」が有名です。優雅で勇壮な田祭りとして開拓の祖沼田喜三郎の出身地である富山県小矢部市より昭和52年に伝承したもので、北海道の三大あんどん祭りの一つに数えられています。
また、一昨年には「クラウス15号蒸気機関車」が日本遺産に認定されました。わがマチで石炭貨車の運搬に活躍した蒸気機関車です。
一方、昨年来のコロナ禍の影響で、地方での「ワーケーション」が活発に提案されていますがマチでも「ほたるの里オートキャンプ場」のコテージなどを活用したワーケーションライフを提案しています。観光地としてだけではなく、移住地としても、静かで自然豊かなわがマチで仕事も遊びも満喫した生活を送ってみてはいかがでしょうか。

 

クラウス15号

 

 

 

 

 

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