今年で840人の卒業生・ミルク大使を輩出した『元気!ミルク大学』。子どもたちにとって一生忘れられないであろう夏休みの貴重な経験と大切な思い出は将来の財産と言えるだろう。
糞(ふん)がかかったり、蹴られそうになったりと悪戦苦闘もしたが、大学生リーダーの協力も得ながら無事ミルカー装着完了です
牛や牛乳を学ぶ4日間
今年で21回目を迎えた歴史ある体験学習イベント『元気!ミルク大学』(主催/北海道牛乳普及協会・ホクレン農業協同組合連合会)が、8月10日~13日の3泊4日間にわたって江別市にある酪農学園大学で開校された。
牛や酪農、牛乳や乳製品のことを学びたいと、道内各地から集まった小学校5・6年生の男女40人が、大学生のお兄さんお姉さんとの3泊4日間の共同生活の中で、さまざまなことを学び・体験することで、牛乳や乳製品のことを今まで以上に大好きになり、そして心身ともに成長するきっかけを得ることができた。
顕微鏡で見る微生物に興味津々(左)、講義にも熱心で質問もたくさんした子どもたち(右)
怖がりながらも一生懸命に頑張った牛の餌やり体験
子牛とのふれあいには周りの大人も「ほっ」とさせられる
未来を担うミルク大使へ
大学ではさまざまなカリキュラムが組まれているが、特に子どもたちにとって忘れられない思い出となったのは、新たな友達との出会い、一緒に協力し合った共同生活での経験。搾乳体験や牛とのふれあいを通して、例えば、これまでは冷蔵庫の中にある冷たい飲み物と思っていたミルクの温かさを知ったときの感動は大きかったようだ。
搾乳前に模型を使ってのミルカー装着練習(左)、見よ、この真剣なまなざしを(右)
いざ搾乳本番。ミルカー装着前の前搾り、うまくできました
そして卒業生は、〝酪農王国〟〝ミルクランド〟と呼ばれる北海道の未来を担ってくれるであろう「ミルク大使」に認定される。
ミルク大使とは、牛乳をたくさん飲んで毎日元気に過ごし、大学で学び体験したこと、酪農の大切さ、牛乳・乳製品の素晴らしさを家族や学校の友達など、一人でも多くの人に伝えることを使命とする。これまで過去20回の開校で800人の卒業生・ミルク大使が輩出されており、その中には大学生として酪農学園大学に入学し卒業していった先輩たちも少なくない。
卒業式で卒業証書とミルク大使認定証が授与された(左)、ミルク大使としての初仕事は、くるるの杜での牛乳販売。「完売ありがとうございました」(右)
そして、農業や酪農業を営む実家を継ぐといった子どもたちをはじめ、以前より牛乳・乳製品がもっと大好きになったという子どもたちも数多く、今もミルク大使としてさまざまな場で使命を果たしてくれているに違いない。卒業式の挨拶に立った代表の2人からも「4日間でたくさん笑い、たくさん学びました。ミルク大使として、ミルクのおいしさ、酪農は大変だけど楽しいことをみんなに伝えたい」「今の日本は牛乳の生産量、消費量がともに減少しています。ミルク大使としてミルクの良さを伝え、生産量、消費量を増やしていく活動をしていきたい」と、実に頼もしい言葉が語られた。
また、リーダーの代表からは「ミルクのすごさ、素晴らしさを改めて学び知る機会となりました」と感謝が語られるとともに、「1杯のミルクを飲んだ時に、この3泊4日の共同生活のことを思い出してくれたらうれしいです」との言葉が子どもたちに贈られた。
バターづくり体験スタートです
ミルクキャロットコロッケづくり、楽しい!おいしくできたかな?
左から「リーダー」「ありが」「とう」
経験は将来の貴重な財産
最後に、卒業式の挨拶に立った北海道牛乳普及協会の瀧澤義一会長からは、「入学式では少し緊張していたように見えた顔が、今日は元気で、その目は輝き、少し大人っぽくなったように感じます。(中略)リーダーのお兄さんお姉さん、道内各地から集まったお友達と昼夜を過ごす共同生活は、楽しかったことの方が多いと思いますが、つらかったこともあったと思います。しかし、これら全ての経験と思い出はきっとみなさんの将来において貴重な財産となり、今後みなさんを大きく飛躍させるきっかけになるものと期待しています」との祝辞が贈られた。
今年で卒業生は840人に上る。いつの日か、卒業生の子どもたちが入学してくる日が来ることも、そう遠くないのかもしれないが、まずは次回22回開校にも期待したい。
「ミルク大学」で学んだことをシートにまとめ卒業パーティで発表します。大学生レベルと称賛の声も多かった
リーダーたちとの別れに笑顔で元気に手を振る子どももいれば、別れるのが寂しくて涙を我慢できなくなってしまった子どもも