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特集記事

2023_03_22 | 2023年 3・4月号 巻頭記事 | | 編集部イーハトーブ

〝酪農が消える〟を回避するため道民が酪農を守る心で買い支えを

この1年で約2百戸超の酪農家が廃業した(道内分)。この先もこれを上回ると予想する向きも。生産者の収入源である生乳価格が長期にわたり低迷。支出面は飼料、燃料、資材の価格が軒並み上昇し9割以上の農家が経営難にある。企業なら商品価格に転嫁できるが、農産物は転嫁できない不条理がある。

消費拡大に向け「牛乳や乳製品の購入で酪農を支えたい」と考える読者は多いはず。ひと頃は「飲んで応援」だったが、今では「飲んで、飲んで、飲みまくって酪農経営を支える」と緊迫した表現に代えてもいいくらい、道内酪農界に沈滞感が漂っている。

消費が低迷し乳余り状態だから、減産が求められ乳牛を処分すれば1頭に付き15万円補填される。肉牛として肥育されるはずの牡のホルスタインの子牛は1頭千円で取引されるほど異常な世界に迷い込んだ、これが今日の酪農の現実だ。

 

牛乳が体質に合わない人も「牛乳贈答券」なら消費拡大運動に参加できる。消費者と酪農家の絆の輪を全道に広げたい。
このまま放置すれば、北海道の酪農は間違いなく壊滅します。今こそ北海道共同体の理念のもと、連帯して酪農王国を再構築しましょう!

 

受けての低金利融資も逐一返済が始まる。酪農家はどこも債務過多が常態化、経営規模の大小問わずどこが経営破綻してもおかしくない時代だ。
私たちに何ができるか。個人レベルの消費では量的に限界がある。そこでちょっとしたお礼(例えば当社ならば取材御礼とか)の品として「牛乳贈答券」を常時手元に置いてあれば、もっと広範囲に消費拡大運動の輪を広げることも可能だ。チーズなどの乳製品はラベル表示をよく見て、輸入原料の入らない道産原料の商品を選びたい。

本紙のかつてのスローガン、「1日1杯の牛乳が北海道酪農を豊かにする」、牛乳消費拡大対策費の計上を受けてのものだったが、数年前からは査定額ゼロ。しかし牧場との交流は続き切実な声が届く。今酪農家との連帯を訴えたい。

(山田勝芳)

2023_03_22 | 2023年 3・4月号 巻頭記事 |