8月1日、新事務所の完成を祝い、関係各位を招き内覧会が行われました。
今年4月まで使用していた旧事務所は、戦後、旧札幌防衛施設局の建物として建築され、道森連が昭和39年から使用してきました。同じ敷地内に造られた新事務所に4月に引っ越し、7月下旬には旧事務所の解体と駐車場工事などが終了。8月1日から正式に新事務所での業務が始まりました。
新事務
建物そのものが道産材のショールーム
新事務所は、道産材のショールームをコンセプトに、構造や内装にふんだんに道産材を使用しています。
中でも目を引くのが、事務所玄関の正面の壁と階段の下面に使用されているカラマツです。
このカラマツは、1906年頃に札幌市の円山公園に植えられたもので、北海道で最も古いとも言えるカラマツ人工林から産出された木材です。100年を超える頃から上部は立ち枯れが進み、下部も腐朽が進行し倒木の危険が増したことから、2018年に伐採されました。しかし、上部と下部は腐朽が著しく進んでいましたが、中段部分はしっかりとし木目も均質鮮やかであったことから、カラマツが内装材にも利用できることを普及する目的で正面玄関の壁などに使用しました。
木材は集成材89㎥をはじめカラマツが153㎥、トドマツが58㎥、スギが8㎥、広葉樹その他16㎥、外構には一部耐久性の高い木材であるO&Dウッドも取り入れ、合計で道産木材237㎥を使用しています。
樹齢100年を超えるカラマツ
木材をより身近なものに
また、新事務所には新しい木材の部材としてCLTも利用しています。CLTとは、Cross Laminated Timberの略称で、ひき板(ラミナ)を並べた面材を複数枚、繊維方向が直交するように積層接着した新しい木質面材です。何層も重ねることで厚みのある大きな板を作ることが可能なため、鉄筋コンクリートのビルに代わり、木造で建築物を建てることができる材料です。実際欧州では、10階以上の高層建築物がCLTを使って建てられています。
「これまで鉄筋コンクリート造りが多かった都市の事務所でも木造に転換することや、内装に木材を使用する契機となることを期待してます」と阿部徹会長は話します。
新事務所の祝賀会で挨拶する 阿部 徹 会長
北海道森林組合連合会(道森連)
札幌市中央区北2条西19丁目1番地9
TEL: 011・621・4293